5:電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査 | 化学物質過敏症 runのブログ

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5(6) ばく露時間不足による再照射
ばく露時間が何らかの理由により不足した場合、不足の照射時間を累積し、その累積時間が1.5時間以上になった時点で再照射を行った。

累積は1ヶ月単位で実施し、再照射時の体重をもとに照射レベルの設定を行った。

なお、1ヶ月間の累積時間が1.5時間未満の場合は再照射を行わなかった。
1.5時間に満たない不足:
2003年9月9日の3回目に、停電のため第3および10群の照射が38分不足した。
2005年3月1日の1回目に、コンピューターの停止のため第3および8群の照射が45分不足したが、いずれも電磁波照射を行わないsham群であり、1.5時間ばく露箱にセットされたことから問題なしと判断した。
1.5時間以上の不足(再照射実施):2003年7月3日の全ての照射がアンプの故障のためできなかった。

再照射は2003年7月5日に行った。
2003年8月20日の2回目および3回目の照射が制御ソフトウエアのエラーのためできなかった。

再照射は2003年8月23日に行った。
その他:
2004年9月24日の2回目の照射中に、停電のためコンピューターが照射時間残り49分で停止した。

照射は、電源を回復させ合計1.5時間となるように行った。

動物は電源を回復させるまでの約30分間余分に拘束されたが、動物の状態に異常は認められなかった。
(7) ばく露期間中の観察および測定項目
a) 一般状態
1日1回(朝1回)、電磁波ばく露していない時間帯に、全ての動物について一
般行動、中毒症状、生死等について観察し、個体別に記録した。
夕方に1回、電磁波ばく露していない時間帯に、全ての動物について生死の確認を行った。
b) 体重
ばく露開始時およびばく露開始後は14週まで毎週1回、その後は2週に1回、全生存動物について個体別に測定した。

また、剖検時にも各動物の1晩(約16時間)絶食後の体重(最終体重)を測定し、器官重量体重比(相対重量)の算出に使用した。
c) 摂餌量
第1週より第14週まで毎週1回、その後は2週に1回、4日間の摂餌量をケージ単位で測定し、1匹当り1日の摂餌量を算出した。
d) 瀕死動物および死亡動物の処置
ばく露期間中の死亡動物および瀕死期屠殺動物については、剖検を実施し、瀕死期屠殺動物については血液塗抹標本(病理組織学的検査で白血病が疑われた際の確認に使用)を作製した。

採取した全身諸器官は10%緩衝ホルマリン液にて固定した。
e) 血液中ホルモン濃度の測定
ばく露期間終了直前(104週時)に、雌雄各群の生存動物の動物番号の若い順に各7例(ただし採血に適さないと判断された動物を除いた)をエーテル麻酔下で眼窩静脈叢により約2ml採血し、遠心分離(日立工機㈱05PR-22、2500rpm、4℃、10min)して得られた血清を用いてCorticosteroneおよびMelatoninの測定を行った。

採血はMelatoninの分泌時間を考慮して消灯3時間後の午後10時より開始した。
また、血清採取を行った動物についてはばく露期間終了後、解剖前日の夕方(午後4時~5時)よりケージを交換するとともに、給餌器より飼料を取り除くことにより絶食させ、エーテル麻酔下に腹部大動脈より採血し、EDTA-2Na入り試験管に入れ抗凝固処置を行い、得られた血漿を用いてACTHの測定を行った。

また、血液の一部を(8)項における血液学的検査のためにEDTA-2K入りボトルに入れ抗凝固処置を施した。
実際の測定は動物番号の若い順に各群5例とし、残りの2例は予備として分析終了まで冷凍保存(-70~-82℃)した。
いずれの測定も凍結保存した状態で下記の分析機関に引き渡し、分析を実施した。

なお、これらの測定は全てGLP非適用で実施した。
測定項目を以下に示す。
a) ACTH(血漿を使用)
b) Corticosterone(血清を使用)
c) Melatonin(血清を使用)
分析機関:株式会社 エスアールエル
〒465-0051
名古屋市名東区社が丘1-1201
(8) 血液学的検査
ばく露期間終了後、全生存動物について解剖前日の夕方(午後4時~5時)より上記(7)e)項と同様に絶食させ、エーテル麻酔下にて腹部大動脈より採血し、EDTA-2K入りボトルに入れ抗凝固処置を施した。

次いで(7)e)項の動物を含め血液塗抹標本を作製し、Wright法で染色し保存した。

本標本は、病理組織学的検査で白血病が疑われた際の確認に使用した。確認の記録は試験成績には反映させなかった。残余の血液は廃棄処分した。
(9) 病理学的検査
a) 肉眼的病理学検査
全生存例について、(7)e)および(8)項において採血後、全身諸器官を肉眼的に検査し、病理組織学的検査を行う器官の摘出後10%緩衝ホルマリン液にて固定した。
なお、偏りを小さくするための動物の屠殺順は、雌雄ともに最初の群のその日に屠殺する若い動物番号を第一番目とし、以後、次群の若い動物番号へと順次進め、最終群到達後は最初の群に戻る方法で実施した。
b) 器官重量
i.下記の器官について測定した。
脳、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、下垂体*、副腎、精巣、卵巣
*:固定後に重量を測定した。
ii.最終体重を用いて器官重量体重比(相対重量)を算出した。
c) 病理組織学的検査
試験に使用した全動物について下記の器官・組織につき検査した。

常法に従いパラフィン包埋、薄切後、ヘマトキシリン・エオジン染色後、鏡検した。
心臓、脾臓、リンパ節(頸部、腸間膜)、胸腺、下垂体、甲状腺(上皮小体
を含む)、副腎、鼻腔(鼻甲介)、気管、肺(気管支を含む)、舌、唾液腺
(顎下腺、舌下腺)、食道、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(盲腸、
結腸、直腸)、肝臓、膵臓、腎臓、膀胱、精巣、前立腺、精嚢、精巣上体、卵
巣、卵管、子宮、乳腺、膣、脳(大脳、小脳)、脊髄(頸部~胸部~腰部)、坐
骨神経、大動脈、眼球、ハーダー氏腺、皮膚、骨および骨髄(大腿骨、胸骨)、骨格筋、ジンバル腺、その他肉眼病変部
なお、本試験では病理組織標本(脳および脊髄)のピアレビュー(病理ピア
レビューセンター 高橋道人)を実施した。

また、一部の標本については診断
基準が重要であることから再度ピアレビュー(名古屋市立大学医学研究科 白井智之)を実施した。
脳(大脳、小脳)については、ティッシュ・チョッパーを用いて脳全体を2mm
の厚さに切りだし、同一面が包埋面とならないように標本を作製した。

また、脊髄(頸部~胸部~腰部)については1cm間隔で切りだし、同一面が包埋面とならないように標本を作製した。
4. 統計処理
各検査項目(摂餌量を除く)について1、2群間と6、7群間の比較ならびに3、4、5群間と8、9、10群間の統計学的有意差検定を以下の方法で行った。
(1) 累積生存率
Kaplan and Meier法を用いた。
有意水準は5%および1%のレベルで判定した。
(2) 体重、器官重量および血液中ホルモン濃度
1、2群間と6、7群間の平均値の差の検定について、F検定を用い、等分散の場合はStudentのt-検定を行い、そうでない場合はAspin-Welch検定を行った。

また、3、4、5群間と8、9、10群間については、5%有意水準でBartlett法による等分散検定を行った。

等分散の場合は、パラメトリックのDunnett法による検定を行い、不等分散の場合は、ノンパラメトリックのSteel法による検定を行った。

検定はいずれも片側で判定した。
有意水準は5%および1%のレベルで判定した。
(3) 腫瘍発生率(担腫瘍動物数、良性、悪性腫瘍あるいは重複腫瘍を有する動物数および各腫瘍毎の発生率)
3、4、5群間と8、9、10群間については、累積生存率に有意差が認められなかったことから、いずれの統計もFisherの正確確率検定(片側)を用いた。
有意水準は5%および1%のレベルで判定した。
(4) 非腫瘍性病変発生率
非腫瘍性病変の発生率については、Fisherの正確確率検定(片側)を、程度のある病変についてはMann-Whitney検定(両側)を行った。
有意水準は5%および1%のレベルで判定した。
(5) 肉眼的病理学検査および病理組織学的検査
肉眼的病理学検査および病理組織学的検査における発生頻度の差の検定については、Fisherの正確確率検定(片側)を、程度のある病変についてはMann-Whitney検定(両側)を行った。
有意水準は5%および1%のレベルで判定した。

runより:初めの方にずいぶんガバガバな報告がありますが真実味があるのか隠ぺいなのか疑いたくなりますね。

さて、これで15ページ分の掲載となります、今日はここまでですが合間に別の記事を入れたりするので長くお付き合いする事になりますが情報が長期間同じでは飽きて読むのが苦痛になると考えているのでご理解頂けると幸いです。