6:電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査 | 化学物質過敏症 runのブログ

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Ⅳ 試験結果
1. 生存率および一般状態(FIGURE 1-a、1-b、TABLE 1、2)
(1) ばく露群 (雌 第3群:sham、第4群:0.67W/kg、第5群:2.0W/kg)
(雄 第8群:sham、第9群:0.67W/kg、第10群:2.0W/kg)
照射期間中のばく露群における生存率は雌では第3、4および5群でそれぞれ72、60および74%、雄では第8、9および10群でそれぞれ82、64および70%であり、雌雄とも偽ばく露群と比較して統計学的に有意差は認められなかった。
生存動物、死亡あるいは切迫屠殺動物における一般状態の変化として、瀕死状態、衰弱、削痩、攻撃性、前肢、後肢もしくは四肢の麻痺、異常歩行、呼吸困難、呼吸のラッセル音、体温下降、脱毛、皮膚の貧血様、皮膚の腫脹、全身諸部位の皮膚下の結節あるいは腫瘤、斜頸、眼球の白色/黄色/暗赤色化、眼球突出、紅涙、眼瞼周囲の腫脹、眼球破裂、眼の創傷、鼻周囲の汚れ、鼻部の痂皮、腹部膨満、膣口出血および下腹部の汚れが少数例に観察された。

これらの観察された所見は、いずれも群間に差はなかった。
(2) 非ばく露群 (雌 第1群:無処置群、第2群:ENU投与群)
(雄 第6群:無処置群、第7群:ENU投与群)
照射期間中の非ばく露群における生存率は雌では第1および2群でそれぞれ80および48%、雄では第6および7群でそれぞれ88および64%で、第2および7群で各々の無処置群(第1および6群)と比較して統計学的に有意な低値を示し、ENU投与による生存率の低下が認められた。

一般状態の変化として、偽ばく露群を含むばく露群で観察された症状とほぼ同様の所見に加え、沈静化および浅速呼吸が認められたが、群間に明らかな差は認められなかった。

2. 体重(FIGURE 2-a、2-b、TABLE 3)
(1) ばく露群 (雌 第3群:sham、第4群:0.67W/kg、第5群:2.0W/kg)
(雄 第8群:sham、第9群:0.67W/kg、第10群:2.0W/kg)
電磁波ばく露開始1週より、雌雄ともに偽ばく露群を含むばく露群では、非ばく露群と比較すると明らかに低値を示し、この傾向は電磁波照射期間中を通して認められた。

これら変化は、照射時の拘束と非拘束による差と考えられた。
雌の第4群で照射開始1週および16週以降、また、第5群で32週以降、対照の偽ばく露群(第3群)と比較して統計学的に有意な高値ないし高値傾向が認められた。
雄では、対照の偽ばく露群(第8群)と比較して、第9群および第10群ともに統計学的に有意差は認められなかった。
(2) 非ばく露群 (雌 第1群:無処置群、第2群:ENU投与群)
(雄 第6群:無処置群、第7群:ENU投与群)
雌のENU処置群(第2群)で70週以降、また雄のENU処置群(第7群)で20週よ
り94週まで、それぞれ無処置群(第1もしくは6群)と比較して統計学的に有意な低値ないし低値傾向が認められた。
また、雌のENU処置群(第2群)で1週に有意な高値が認められたが、一時的な変動であることから偶発的なものと考えられた。
3. 摂餌量(TABLE 4)
(1) ばく露群 (雌 第3群:sham、第4群:0.67W/kg、第5群:2.0W/kg)
(雄 第8群:sham、第9群:0.67W/kg、第10群:2.0W/kg)
電磁波ばく露開始1週より、雌雄ともに偽ばく露群を含むばく露群では、非ばく露群と比較すると、概ね低値傾向を示し、この傾向は電磁波照射期間中を通して認められた。
照射第104週時に雌の第5群で偽ばく露群(第3群)と比較して摂餌量の低値傾向が認められたが、一時的な変動であり偶発的なものと考えられた。

雄では照射期間中を通して群間に変動は認められなかった。
(2) 非ばく露群 (雌 第1群:無処置群、第2群:ENU投与群)
(雄 第6群:無処置群、第7群:ENU投与群)雌雄ともに群間に変動は認められなかった。

4. 血液中ホルモン濃度(TABLE 5)
(1) ばく露群 (雌 第3群:sham、第4群:0.67W/kg、第5群:2.0W/kg)
(雄 第8群:sham、第9群:0.67W/kg、第10群:2.0W/kg)
雌雄ともACTH、corticosteroneおよびmelatonin濃度のいずれにおいても偽ばく露群とばく露群の間に統計学的に有意な差異は認められなかった。
(2) 非ばく露群 (雌 第1群:無処置群、 第2群:ENU投与群)
(雄 第6群:無処置群、 第7群:ENU投与群)
17ACTH濃度では、雄の第7群で無処置群(第6群)と比較して有意な高値が認められたが、Corticosteroneおよびmelatonin では有意な差異は認められなかった。