「リリカ」ってどんな薬?2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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神経の興奮が起こる因子となる一つにCa2+(カルシウムイオン)があります。Ca2+はCa2+チャネルという通り道から神経前シナプス内へ流入することにより、神経が興奮し様々な神経伝達物質が過剰に放出され、疼痛が引き起こされるのです。




リリカ®の主成分であるプレガバリンはCa2+チャネルのα2δサブユニットという部位に結合します。

すると神経細胞でのCa2+チャネルの細胞表面での発現量やCa2+の流入が低下し、神経伝達物質の放出が抑えられます。

この結果、鎮痛作用があらわれ神経性の痛みを和らげる効果が期待できます。

またプレガバリンの鎮痛作用には中枢にある鎮痛機構の「下行性疼痛抑制(調節)系」に対しての作用も関係しているとされています。1)


◆痛みの分類

ひとことに痛みと言っても、その原因によって大きく3種類に分類されます。

 ① 侵害受容性の痛み
 ② 神経障害性の痛み
 ③ 心因性の痛み 

炎症や外傷など物理的な怪我によって生じる痛みはおもに「①侵害受容性の痛み」に分類されます。こうした痛みには通常「ロキソニン®(成分名:ロキソプロフェンナトリウム)」等のNSAIDsなどが効果的です。

例えば帯状疱疹の後に残った痛み(帯状疱疹後神経痛)におけるヒリヒリ・ズキズキする痛みや針で刺すような痛み、糖尿病性神経障害におけるピリピリ・ジンジンするような痛みなどは「②神経障害性の痛み(神経障害性疼痛)」に分類されます。

こうした神経の痛みには一般的な鎮痛薬(NSAIDsなど)では効果が不十分であることが多いため「リリカ®(成分名:プレガバリン)」などの神経へ効果をあらわす鎮痛薬や鎮痛補助薬が必要になります。

おもに心理的な要因が関連して起こる痛みは「③心因性の痛み」に分類されることがあります。

こうした痛みには薬による治療の他、認知行動療法などが功を奏することがあります。

また、①~③の痛みが複雑に絡み合って痛みを生じることもあります。

例えば椎間板ヘルニアなどでは、実際に炎症が起きている部分では「①侵害受容性の痛み」、また傷ついた神経により「②神経障害性の痛み」が生じることがあります。

このような場合、「ロキソニン®(成分名:ロキソプロフェンナトリウム)」や「ボルタレン®(成分名:ジクロフェナクナトリウム)」などのNSAIDsに加えて「リリカ®(成分名:プレガバリン)」や「ノイロトロピン®(成分名:ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)」「サインバルタ®(成分名:デュロキセチン塩酸塩)」といった神経障害性疼痛に効果のある薬剤を使うことで疼痛効果の増強が期待できます。