・電磁波過敏症の治療(歯科的対策)
過敏症の方に多い顎関節症の治療によって、過敏症にも効果がある場合があります。
また、歯の中にアマルガムがあれば、これは水銀の合金なので、もちろん取った方が良いです。
また、歯の中にいろいな金属があると、イオン分解しますから、人によって電流が流れます。
それによって患者さんに問題が出るかもしれませんけれども、その場合は歯科の先生と相談しながら治療していただければ良いと思います。
ただ、歯の金属が電磁波を受けるということは、あまり心配されなくて良いと思います。
金属は電磁波の波長と同調したときにその電磁波を受けるわけです。歯が電磁波を受けるとしたら、センチ波以下の波長のものなので、テレビや携帯の電磁波とは全然違うのです。
高周波と低周波
「高周波による電磁波過敏症では身体的な反応が出やすい。
低周波による電磁波過敏症は神経症的な反応が出やすい。(Johansson A, et al: 2010)」と、最近、精神科の先生が報告しました。
「神経症的な症状」だから「思い込み」なのだと思われると困ります。
電磁波は神経の伝達物質に影響するので、精神的な症状が出る可能性があります。
もう一つは、高周波は、どこから出ているのか自分で見当がつくことが多いわけです。
だから、ある程度は避けられるから精神的な不安感はあまりないのです。
ところが、低周波で症状が出ると、家庭内に居場所がなくなります。
だから、神経症的な症状が出ても不思議はないと思います。
電磁波過敏症と精神疾患
電磁波で影響が出ない人を「健常者」と言っていますが、これは「電磁波鈍感症」なのです。健常者と思わないでください。
それから、先ほど言いました電磁波感受性の人たち。
感受性と過敏症の間はハッキリしません。
電磁波過敏症になると、電磁波が怖くなるのは当然ですよね。
恐怖感があるからこそ、私たちは避けて、これまで進化の過程で生き延びているわけですから。
だから、恐怖症が出てきても構わないと思います。
ただし、恐怖症が行き過ぎると、妄想が出る方が出てきます。
ここまでくると、なかなか治療が難しくなってきます。
先ほど電磁波過敏症には精神的な薬は効かないと言いましたが、電磁波過敏症のうえに電磁波恐怖症があると、それがストレスになって過敏症が増幅しますので、恐怖症にもそれなりに対応していく必要があるかと思います。
電磁波恐怖症を悪化させないために
妄想がひどいときには、やはり心療内科などの治療も必要になってくると思います。
そこまでいかないうちに、ご自分でやれるのは、いわゆる行動療法です。行動療法とは何かというと、弱い電磁波を浴びてもらい、調子が悪くなったけれども、まあ、何とかなったということを、ご自分で経験、実感してもらうことです。電磁波過敏症は、つらいけれども、死ぬ病気ではない。
そういうことをある程度実感して、恐怖症に打ち勝っていく必要があるのです。
もう一つは呼吸法です。
腹式呼吸です。
健康管理に何が効くかというと、腹式呼吸が一番効きます。
お寺の和尚さんが大声でお経をあげる、あれは腹式呼吸です。
神主さんも、笏を抱えて大きな声で祝詞をあげます。
あれも腹式呼吸です。
牧師さんもマイクを使わずに大声でお説教します。
禅宗のお坊さんも、座禅を組むときに腹式呼吸です。
宗教関係者は、なぜか数千年前からこれをやっているのですが、腹式呼吸をやりますと、脳にアルファ波が出て、非常に脳が落ち着いてくるのです。
だから、もしお宅に宗教のある方は、大声でお題目でも、念仏でも、賛美歌でも、何でも良いのですが、やっていただけると良いです。
そうでない方は大きな声で歌を歌うとか、ヨーガや太極拳です。
こういうごくごく地道な健康管理が一番良いのではないかと思います。
それから、もう一つ筋弛緩法があります。ぐっと肩に力を入れて、ふわっと力を抜く。ちょっと調子悪いときに、これを数回繰り返すと、相当、恐怖感とか落ち着いてきます。
女性の方は不安、恐怖が強く出る傾向があります。
過敏症は女性の方が多いです。
自己防衛本能が女性の方が高いですから。
環境が悪いと言って女性より先に逃げ出すような男性は絶対女性に好かれませんから、男性の感受性は女性より悪くしてあるのです。
そうでないと子孫が残せないですから。