・電磁波過敏症と化学物質過敏症
ところが、電磁波過敏から化学物質過敏症になる方は比較的少ないのです。欧米に比べて日本では、化学物質過敏症の方が電磁波過敏症になることが結構多い。
電磁波環境が日本の方が悪いからなのかもしれませんが、理由はよくわかりません。
電磁波過敏だけの患者さんは少ないので、そういう方々のデータを積み重ねることも非常に難しいのです。
では、なぜ化学物質過敏症を持っていると電磁波過敏になりやすいのか。
kasanka 化学物質過敏症の発症についての一つの考え方ですが、体に入った化学物質は、普通は解毒されてどんどん体外へ出ます。
ところが、解毒能力は人によってまちまちで、解毒がちょっとでも遅れると、体の中に酸化窒素ができます。
これに化学物質が当たると過酸化亜硝酸ができる。
過酸化亜硝酸ができると、活性酸素ができる。活性酸素ができるとまた酸化窒素が…という悪循環になります。そして、神経の過敏反応が起き、毒物の脳内進入がしやすくなります。
そして、電磁波もやはり活性酸素を増やしますし、電磁波も脳内への毒物進入を促進します。
毒物が脳内に入りやすくなりますから、電磁波を浴びせると、動物が死ぬ化学物質の中毒量も減ります。
また、電磁波によって神経の過剰反応が出ると、化学物質過敏症で過酸化亜硝酸が出るのと同様の問題が出てくるのではないかと考えられます。
電磁波過敏症の治療(栄養)
電磁波過敏症も化学物質過敏症も、結局は基本的に治療方針は似たものになります。
まず、栄養です。
電磁波過敏症の治療と対策
栄養
過酸化亜硝酸の捕集—ビタミンB12
過酸化亜硝酸や活性酸素の捕集—ビタミンC、E、カロチノイド、フラボノイド、セレン、亜鉛、α-リポイック酸
細胞の呼吸改善—酸素補充、CoQ10、L-カルニチン
代謝改善—各種ビタミン
神経過敏性の抑制—マグネシュウム、メチル基、カルシュウム
化学物質過敏症の方には薬をあまりお勧めしたくないので、食べ物からとるのが良いです。
B12が一番多いのはレバーです。カロチンはトマト、ニンジン、カボチャなど。フラボノイドは大豆。豆腐より、おからが良いです。
スウェーデンの報告では、電磁波過敏症の人に一番効くのはマグネシウムだそうです。
一番良いのはにがりを少し多めにとっていただくこと。
スーパーで安く売っていますし、お豆腐屋さんでも分けてくれます。
カルシウムも必要です。ヒジキは非常にカルシウムが多いのですが、ちょっとヒ素が多いので、電磁波過敏症の人とか、妊娠中の方は、控えめにした方が良いかもしれません。
私たちの医療はまだまだ非常に未発達で、体調を本当に回復する薬はほとんどないです。血糖値を下げる薬はあっても、糖尿病を治す薬はないです。血圧を下げる薬はあっても、高血圧症を治す薬はないのです。
でも、マグネシウムにしても、電磁波過敏症に効くばかりでなく、筋肉の弛緩作用があるので、肩こりに効くし、血管が広がるので血圧が下がるとか、普通の人にもプラスの面があります。
体の健康管理は、栄養が一番基本ですから、地味ですけども、電磁波過敏症を良くするには、こつこつとやっていくしかないのです。
フィンランドからの電磁波過敏症 治療報告
(2013年)
有効例
食事 69.4%
サプリメント 67.8%
運動の増加 61.6%
精神的治療 0%
投薬 0%
フィンランドから電磁波過敏症の報告です。
これが今年(2013年)の最新のニュースです。
食事が一番有効です。ご自宅の地味な家庭のお惣菜が一番体に良いです。それから、サプリメントと、運動の増加。「精神的な治療」は精神病の薬や治療のことですが、電磁波過敏は精神病とは違いますから、これは効きません。
電磁波過敏症の治療(ストレス解除)
ストレスが増えると、先ほど言った酸化窒素が非常に増えて、悪循環になります。電磁波を怖がることでストレスが加わると良くないので、できるだけ好きなことをやって遊んだ方が良いのです。電磁波過敏症になると、なかなか表へ行って遊びにくいかもしれませんが、
その中でも多少悪くても我慢できる所があったら出かけた方が良いです。
それから、昔ながらの養生です。早寝早起き、軽い運動、お風呂や温泉です。