「改訂版」宇都宮市教育委員会シックスクールマニュアル-2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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3 シックハウス症候群
(1)シックハウス症候群とは
住居や学校の新築・改築・改修等の直後に建材,塗料等の施工材及び家具,机・いす等の学校用備品等に由来するホルムアルデヒド,揮発性有機化合物等に汚染された室内空気にさらされることによって,目や気道粘膜の刺激症状や頭痛などの様々な体調不良を起こすもので,当該建築物以外ではその症状は和らぐが,再度,当該建築物に入ると症状が再発する特徴がある。
このため,換気対策等を十分に講じ,時間経過とともに原因物質の濃度が低減すれば,通常の学校生活は可能である。

―シックハウス症候群―
① 医学的に確立した単一の疾患ではなく,居住に由来する様々な健康障害の総称を意味する用語。
② 主な症状
・皮膚や眼,咽頭などの皮膚・粘膜刺激症状
・全身倦怠感,頭痛・頭重などの不定愁訴
③ 発症関連因子
・ホルムアルデヒド等化学物質,カビ,ダニ等
④ 厚生労働省の室内濃度指針値は,必ずしもシックハウス症候群を直ちに引き起こす値ではないため,診断に際しては総合的な検討が必要。
「シックハウス症候群、化学物質過敏症等に関する医学的知見の整理」より
(「室内空気質健康影響研究会報告書」厚生労働省健康局生活衛生課H16.2.27)
(2)シックハウス症候群の症状
・ 自律神経障害:発汗異常・手足の冷え・易疲労感
・ 精神障害:不眠・不安・うつ状態・不定愁訴
・ 末梢神経障害:のどの痛み・乾き
・ 消化器障害:下痢・便秘・悪心
・ 眼科的障害:結膜の刺激的症状
・ 循環器障害:心悸こう進
・ 免疫障害:皮膚炎・喘息・自己免疫疾患
(資料 :保健婦雑誌第55巻 国立公衆衛生院 池田耕一氏執筆文より)

(3)シックハウス症候群の原因
化学物質濃度が高い室内に長時間いた場合,健康に影響が出ると言われているが,化学物質と健康被害との因果関係は未解明な部分が多くある。
その原因の一つとして,ホルムアルデヒド,揮発性有機化合物,防蟻剤等が知られている。
一般的に,「シックハウス症候群」については,
・ 建材・家具・日用品等からの化学物質の放散量
・ 暖房器具等からの燃焼ガス
・ 住宅の設計,施工方法
・ 換気などの住まい方
・ 化学物質等に対する感受性の個人差
など様々な要因が,複雑に関係しているとされている。

(4)シックハウス症候群の原因物質が含まれる建築材料
・ 接着剤:ホルムアルデヒド,トルエン,キシレン,可塑剤
・ ビニル壁紙:ホルムアルデヒド,可塑剤
・ 塗料:トルエン,キシレン
・ 畳:有機リン系殺虫剤
・ 防蟻剤:有機リン系・ピレスロイド系殺虫剤
・ 木質複合フローリング:ホルムアルデヒド
・ 合板,パーティクルボード,木質繊維板:ホルムアルデヒド
・ 木材保存剤:有機リン系・ピレスロイド系殺虫剤
・ 断熱材(グラスウール):ホルムアルデヒド