生駒さんの努力のお蔭で、空中散布を行う農家の数が2013年にはその3 分の1以下になり、さらに今年(2014年)には約5 分の1 となる。
農家の人たちは、米の収量は空散を止めてもほとんど減らないことを知り、次第に空中散布はなくても大丈夫ということを理解し始めたのである。
また生駒さんは、ネオニコが多用されるイネの苗箱の箱処理剤を平成23年から全面積で使用していないが、今後は地域の皆さんにも使用を控えるように推奨する予定である。
より豊かな自然と農業を目指しているこの地域は、ニホンミツバチの飼育もはじめ、全国に先駆けてネオニコフリーの活動を進めている地域といえるだろう。
笠間市の他にも、秋田県でも斑点米カメムシ防除をやめようとする動きがあり、3月には、「斑点米とネオニコ系農薬を考える秋田集会」が予定されている。
秋田では、2010年には農薬が疑われるミツバチ大量死が報道されている。
栃木県小山市 よつ葉生協ネオニコ使用中止
一方、生協でもようやく動きが出てきた。
栃木県小山市の「よつ葉生活協同組合」が契約コメ農家と協力し、毒性が指摘されるネオニコを一切使わないコメ販売体制を確立した。
2014年1月9日付の東京新聞の記事である。
2011年末以来、ネオニコ削減に関して勉強会を重ねた結果ということだが、放射能汚染もさることながら、それにも劣らないほど毒性が懸念されるネオニコへの対応は、多くの生協がまだ踏み切れない状況の中で、勇気ある第一歩となっている。
新潟県佐渡市 トキを守るためにネオニコ使用を禁止
この他にも新潟県の佐渡市では、JA佐渡が、約4000戸のコメ農家に3種類のネオニコ使用をこれまで推奨してきたが、2011年からは1種類に絞り、2012年には全面的に中止した。
使用を止めても害虫が顕著に増えたという苦情はないという。
佐渡ではトキをまもるために、トキの繁殖に悪い影響をもたらす恐れのあるネオニコ使用禁止に踏み切ったのであり、この動きはさらに、貴重なマガンなどの鳥類を守るための宮城県などの地域の運動の刺激となっている。
* 目下、国民会議ではプロナトール財団の助成を受けて、ネオニコ削減に関わる地方の動きの聞き取りをしています。