製品中臭素系難燃剤の使用時及び廃棄後の挙動2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 化学物質のヒトへの曝露ルートは、その物性および使用用途などによって大きく異なります。環境に排出されたある種の有害物質は生態系に蓄積され、食物連鎖を経て我々ヒトへは主に食べ物という形で曝露されます。その代表例がPCB類や塩素化ダイオキシン類、有機塩素系農薬です。一方、PBDEsやHBCDsについてヒトへの摂取量を見積もったところ、食品に比べて室内ダストからの寄与が大きい結果が各国の調査で得られています。つまり、ヒトへのBFRsの曝露量を低減するには、一日の大半を過ごす室内環境で使用されている製品に由来する直接曝露の実態を明らかにする必要があるということです。
 難燃剤の室内放散としては、1)室内設置製品からの揮発、2)難燃化素材そのものの剥離、3)難燃化素材に付着したダストへの直接移行、という少なくとも三つの経路が考えられます。製品からの揮発については、異なる温度域で製品素材からどれくらいの量のBFRsが放散されるかといった調査を行い、室温であってもPBDEsやHBCDsがテレビケースや防炎カーテンから放散されること、高温になるほど放散量が増加することを実測しています。BFRsは臭素原子を有していることから質量数が大きく、蒸気圧が低いため、その多くは製品から放散されると室内空気よりはむしろ室内の壁や床、ダストに吸着して存在していると考えられます。室内ダストを測定するともれなくPBDEsやHBCDsが検出されることから、いずれかの、もしくは複合的な経路により製品からこれら物質がダストに移行していることは明らかといえるでしょう。手に付着したダストを口に運ぶことからBFRsを摂取してしまうわけですから、とくに乳幼児へのリスクを低減させるためには、ダストの除去と換気が効果的な手段となります。