毒性学の今日的意義:高感受性群を視野に入れた検討:2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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環境基準の設定などにより明らかな公害病の発症は大きく減少

毒性学の今日的課題

環境毒性学:PCBなどのように長期にわたり環境に残存する物質などについて、低濃度、長期曝露(場合によっては多世代)の健康影響

産業毒性学:毎年、数多く導入されている新規物質(例えばアスベストの代替物質である人工鉱物線維)について、実際の使用前に、現在ある毒性学の知見を用いて、その安全性の評価を行う。

既存化学物質について、適切な産業職場の管理のため、許容濃度の設定を行うための基礎データを得るために研究を行う。

原因が不明の職業性疾患が現れたときの原因究明
許容濃度の考え方

許容濃度:労働者が一日8時間、週40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に曝露される場合に、当該有害物質の濃度がこの数値以下であれば、ほとんど全ての労働者に健康上の悪影響がみられないと判断される濃度

日本産業衛生学会が勧告

疫学や動物実験におけるデータから得られる最大無影響量(NOAEL)を得て、そこに動物種、曝露期間などから考えられる安全係数を用いて濃度を決定することが多い。

古典的な毒性学で対応が難しい可能性のある問題:感受性

内分泌攪乱物質などは、量-反応関係では説明できず、低濃度で有害な影響が出る可能性が指摘された。

年齢、遺伝的要因、排泄機能の低下などによる有害物質に関する感受性が集団において異なる可能性がある。

許容濃度は「ほとんど全ての」労働者なので、全ての労働者ではない。

シックハウス症候群、化学物質過敏症では、許容濃度より低い値で発症するとされている。