PM2.5による大気汚染についてー4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ 今年の北京にあるアメリカ大使館でのPM2.5と気温、相対湿度の測定結果からは、高濃度のPM2.5が発生している時の特徴として、低温(零下10度のレベル)であること、相対湿度が高いこと(80%以上)、PM2.5のトレンドと相対湿度のトレンドとの関連性が高いこと、持続時間が長いこと(たぶん風が弱いこと)、時間帯としては連日深夜に最高濃度に達する事例が多いこと等が読み取れる。
 また、北京と愛媛大学農学部におけるPM2.5の連続モニタリング結果を比較すると、松山との最高値の濃度レベルは北京の約十分の一程度であり、事例によっては北京での高濃度発生から2?3日後に松山でPM2.5の濃度上昇が見られる。

特に1月末から2月初めにかけての期間には2~3日程度の遅れで濃度上昇が見られた。
 広島県全域平均PM2.5濃度は同様に、1月末から2月にかけて3日程度の遅れでPM2.5濃度の上昇が認められ、その濃度は愛媛大学農学部の測定値と同程度の値であることから、広域的な越境移流があったことが分かる。
 PM2.5長距離輸送時の日本国内における濃度分布は西から東に移動しており、その速度は数日に及ぶ。
日本の西側の地域になるほど、その影響が強い。

また、濃度レベルの地域分布は、その地域の地形的・気象的な特性や、その地域における大気汚染発生源の分布や強さを反映して異なる濃度分布となる。

例えば、同じ愛媛県でも松山平野での濃度変動は複数の測定地点でほぼ同じような動きを示すが、燧灘周辺地域の愛媛県東予地域では海陸風循環が卓越することや、大気汚染発生源が多く存在すること等の理由から複雑な挙動を示し、またその濃度レベルも松山平野よりも高いことが多い。
図4 愛媛大学での2011?2013年のSPM、PM2.5、OBCの月変化


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 今年の中国からのPM2.5の日本への影響程度は増大しているのだろうか?

 図4にPM2.5の愛媛大学での2011?2013年の月変化を示す。

今年1月の愛媛大学農学部における月平均濃度と昨年の1月の月平均値との間には顕著な差は認められない。

また、それぞれの年の月平均値の変化は年々の気候・気象変動の影響を受けるので同一ではないが、一般的には春季に高濃度となる。

特に西日本地域において、その傾向は顕著である。

この原因としては黄砂の影響が考えられるが、それ以外にも大気汚染の広域移流も多く報告されている。黄砂の移流経路や高さによっては大気汚染物質が黄砂に取り込まれて長距離輸送される。

このように、黄砂単独の長距離輸送、大気汚染単独の長距離輸送、黄砂と大気汚染の両方の長距離輸送など、各種の長距離輸送パターンがあることが、愛媛大学農学部での過去7年間のモニタリングデータ解析から明らかになっている。