PM2.5による大気汚染について-2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3、PM2.5の組成と原因物質
 PM2.5は単独の物質ではない。

時間帯(発生源の時間変化)、季節(主に気温や湿度などの気象条件)、場所(原因物質の排出源からの距離)により、その組成は変化する。

日本で環境基準が定められている古典的な大気汚染物質はCO(一酸化炭素)、SO2(二酸化イオウ)、NO2(二酸化窒素)、光化学オキシダント(大部分はO3)、SPM(粒径10ミクロン以下の粒子)、PM2.5の6物質である。

この他にダイオキシン等の有害化学物質に関する環境基準が定められている。

これらの大気汚染物質は個々単独に存在しているわけではなく相互に関連している。
図1 大気汚染物質相互の関連性



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 図1に大気汚染物質相互の関連性を示したが、PM2.5の生成には多くの大気汚染物質が関係していることが分かる。

この図の中でVOC(揮発性有機化合物)は大気環境基準が定められている物質ではないが、PM2.5生成には重要な役割を果たしている。

VOCには有害性と光化学反応性の二つの側面がある。

光化学オゾンの生成にNOx(NOとNO2の合計)と共に関わり、PM2.5の生成にも大きな役割を果たす。

光化学反応を考えるにあたり反応性と共に重要なのが存在量である。光化学反応性の高いVOC成分は速やかにオゾンの生成をもたらすが、反応性が低くても環境中の存在量が多いVOC成分はゆっくりとオゾンをつくり、オゾンの濃度のベースを高める役割を果たす。

植物起源のVOCも人為起源のVOCと同程度の発生量があるため重要である。
 発生源から直接PM2.5として環境大気中に排出されるものの他に、ガス状無機成分やガス状有機成分が環境大気中で粒子化してPM2.5となるものもある。
これを二次生成大気汚染と言い、光化学反応が活発化する春季から夏季にかけてはPM2.5に占める二次生成微小粒子の割合が増加する。

また大気汚染の発生源には自然起源のものもある。
図2 大気汚染発生源とガス・粒子の関係


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 図2には大気汚染発生源とガス・粒子の関連性を示したが、自然起源、人為起源のガス及び粒子が一次生成大気汚染物質、二次生成大気汚染物質として存在し、これらが混在してPM2.5を形成する。

また、現象のスケールは沿道スケールから大陸スケールにおよび、それぞれの現象は相互に関連し合っている。