プラスチックによる海洋汚染と闘う-2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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Q5 プラスチックによる海洋汚染は生態系
にどのような影響を与えるのでしょうか?
A5 これまで、ウミドリがプラスチックの小片を食べるということは判っていましたが、そのプラスチックに含まれる化学物質がウミドリに移行するかという点については未解明でした。

しかし2011年、私たちは、一部のウミドリの胃の中のプラスチックの難燃剤が溶出して脂肪に移行することを突き止めました。

Q6 2011年の研究はどのような実験で明らかになったのでしょうか?
A6 私たちは、ベーリング海で漁業用網に絡まって死んだウミドリの死骸を分析しました。

死骸の胃の中にあったプラスチック片と、ウミドリの脂肪をそれぞれ分析したところ、脂肪の中から、プラスチック片に含有されていたある種の臭素系難燃剤が検出されました。

この臭素系難燃剤は、食物連鎖では体内に取り込まれない性質のものでしたので、この物質は胃の中のプラスチック片から溶け出し、ウミドリの体内に直接移行したものと考えられました。

7 人への影響も考えられるのでしょうか?
A7 人への影響については未だわかっていません。

人への影響を明らかにするためには、プラスチック、特に1mm以下の微細プラスチックを食べた魚にプラスチック内の汚染物質が移行し、それを人が摂取することにより、食物連鎖を通じた汚染が生じるということを確かめる必要があります。
 現時点で、1mm以下の魚に汚染物質が移行するか否かという点は、実験的には明らかにはなっていません。

しかし、5mmサイズのプラスチック片に含まれる有害物質がウミドリに移行することから考えると、魚の場合にも同様の移行が起こるということは十分にありうることです。

現時点で科学的な立証がないとしても、予防原則に立って、プラスチックの規制に取り組むべきだと思います。

Q8 PCBなどと異なり、プラスチックは市民生活に広く浸透しているため、規制は容易ではないと思います。

プラスチックに対してどのような規制が必要であるとお考えでしょうか?
A8 まずはプラスチックに対する一人ひとりの意識を変えることが必要です。

日本ではプラスチック問題に対する意識が非常に低いと感じています。

アメリカでは20年くらい前から買物をすれば、必ずプラスチックバッグを渡さないことを前提に「バッグはいるか?」と聞かれました。

日本でも最近はマイバッグを推奨する店が増えてきましたが、それでもまだ何にでもプラスチックが使われています。
 日本では多くの人がまだ、プラスチックによる環境汚染に気づいていません。

大きな焼却施設で燃やせば大丈夫という意識が定着してしまっています。

ダイオキシンを外に出さない焼却施設を建設することは工学的には可能ですが、それには多額の費用がかかります。将来的な人口減少のことも考慮に入れれば、ごみを燃やすよりもごみを減らして、焼却施設を長持ちさせつつその数を減らしていくことこそが必要です。
 人々の意識に加えて、プラスチックに依存した流通のあり方も変わらなければいけませんし、明らかに不要なものは行政的な規制が必要です。