第9章 ペーシング戦略-3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・時間帯に注意する

CFSとFMのほとんどの人々は、1日の中で調子の良い時間と調子の悪い時間があると分かります。

朝に具合が良い人もいれば、遅くなってから元気になる人もいます。

「いつ」活動するか時間を変えて、あなたの最も良い時間を最も重要な作業、あるいは最も負担の大きな作業に使うことで、おそらく、症状を悪化させずにいっそう多くを成し遂げることができるでしょう。

最も多いパターンは、おそらく、1日が過ぎるにつれて徐々に改善し、夕方に減速するパターンでしょう。

しかし、朝が最も良い時間帯という患者もいれば、夕方が最も良い時間帯という患者もいます。

重要なのは「あなたの」最も良い時間帯を見付けることです。

我々のプログラムの一人が運動について書きました。

「夕方に歩くと、何とか2ブロック歩くことができます。けれども3ブロックだったら、私はへたり込んでしまいます。日中早いうちなら3ブロック以上歩くことができます。朝の8時から11時までは、精神的にも身体的にもほとんどの活動に適しているので、私はこの時間帯のスケジュールを空けています」

もう一人の女子学生は頭にかかったもやの影響に悩んでいました。

彼女は、頭にかかったもやの影響で、読書してその内容を忘れないでいることが困難でした。

午前中に勉強すると、彼女は1日にほんの30分だけ読書することができました。

しかし、読んだことを忘れないでいるのに苦労しました。

そこで、午後に勉強してみることにしました。

彼女は、午後を短い休息で始めれば、数時間の読書をするのに十分な精神的スタミナがあると分かりました。

休息のあとに、彼女は短い休憩を挟んで30分の読書を2回して、内容を忘れないでいることができました。

時間をかけて徐々に、彼女は勉強時間を1日合計2時間まで増やしました。一日の時間帯を試行することによって、彼女は勉強時間を大いに増やすことができました。

また、彼女の理解力も高まりました。

感覚入力をコントロールする

CFSとFMの多くの人々は知覚情報、特に光と音への感受性増加が見られます。

彼らにとって、あまりにも多くの感覚入力は集中力に影響を及ぼします。

あなたがこれに当てはまるならば、一つのことに集中し、あなたの環境を単純化します。

そうすれば、あなたはいっそう多くを成し遂げ、症状レベルをさらに低くすることができるかもしれません。

例えば、読書するときにテレビを消す、あるいは静かな場所に移動すれば、読んだことをいっそう良く理解できるかもしれません。

レストランのやかましさがじゃまになるならば、試しに忙しくない時間に行ってみます。

大人数のグループが難しいと思うならば、試しに少人数のグループで集まってみます。

メディアがじゃまならば、メディアにさらされる時間を制限するか、あるいはTVを観たり、ラジオを聞いたりするのを控える「メディアの断食」を行います。

可能な限り座る&機器を使う

立っている間に疲れるあるいは気を失うならば、いつもできる限り座ろうと考えてください。

例えば食事を作るときやシャワーを浴びている間がそうです。

(後者にはプラスチックスツールあるいは椅子を使ってください)。

あなたを助ける機器を使うことで、より多くのことをする、あるいは症状を予防する、もしくはその両方ともできるかもしれません。

CFSとFMの一部の人々で、長い間立っていることができない、あるいは感覚入力に敏感である、もしくはその両方である人々は、ショッピングでスクーターあるいは電動カートを使うと、ショッピングがより容易になります。多くの大型ストアがこのような機器を備えています。

そして、それらは無料で利用できます。

我々のプログラムの一人の女性が、スーパーマーケットで電動カートを使って劇的な成果があったと報告しました。

カートを使う前、彼女は週に1度の食料品の買い物でとても疲れ、店から戻るとすぐに2時間横になっていました。

ところが、カートを使って買い物をしたところ、買い物をしたあとで、彼女は全く休息を必要としませんでした。

生活に楽しいことを取り入れる

慢性疾患を抱えた生活は、不快感とフラストレーションを絶えず伴います。楽しい活動をすれば、フラストレーションとストレスが減り、症状から気が紛れ、あなたが楽しみにするものができます。

例として、入浴、友人との会話、音楽鑑賞あるいは楽器演奏、映画鑑賞、自然の中で時間を過ごすこと、読書などがあります。

これらすべてはペーシング戦略と考えられます。

なぜなら、楽しい経験は、制限を受け入れて制限内で生活することをより容易にしてくれるからです。

制限を受け入れることの要旨

ペーシングでは新しい習慣を身につけることになりますが、生活が変わってしまったと認めることに深く根ざした心的適応も必要です。

この受け入れは、体に対して以前と異なる考えをもたらします。

我々のプログラムの一人は「体が発するシグナルを無視しようとすることから、体がストップあるいは速度を落とすように命ずるときに、それをちゃんと聞くようになるまでの考えの転換」と説明しました。

この、「考えの転換」の一部は、我々の内面的な対話(心のつぶやき)と期待を変えることが含まれます。それは、罪悪感を生み出すのではなく、疾患を抱えてうまく生活しようとする我々の試みを下支えしてくれます。例えば、我々のプログラムの一人の女性は、昼寝すると、以前はよく自分は怠け者であると思った、と言います。今、彼女は休息するとき、心でつぶやきます。「私は自分が健康であるのを助けています。夫と時間を過ごすため、孫の子守りをするため、エネルギーを節約しています」。もう一人は「私は今、慢性疾患にかかっていて、この疾患はこれから先も続くだろうし、生活の送り方に大きな制約を課したという事実を受け入れます。今、私は『半分命拾いした人生』を送っていますが、私にできる最も良い『半分命拾いした人生』にするつもりです」と言います。