第9章 ペーシング戦略-2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・活動の一つひとつに制限を設ける

もう一つの戦略は、具体的な活動に制限を設けることです。

症状が悪化する前にやめる(「負ける前にやめる」)ために、活動を完全にストップする、あるいは活動に費やす時間を減らします。

前者の例は Eunice Beck の記事 “Making a NOT TO DO lists” (「NOT TO DOリストを作る」)にあります。

もうしたくないことのリストを作れば、活動を取り除くことに罪悪感を抱かないので、「するべき」リストからしたくないことを取り去ることができます。

「しないこと」のリストがあれば、自分の健康を守るための措置を講じる正当な理由ができます。

Eunice Beck は彼女の「NOT TO DO」リストに、「自ら進んで申し出ない。人の言いなりになって、知っている用事をすれば、エネルギーレベルと疼痛にとって重い負担になる」を付け加えます。

具体的な活動に制限を設ける例は、 Bobbie Brown の記事 “25 Reasons Why I've Improved” (「私が良くなった25の理由」)で見ることができます。記事の中で、彼女はどのように機能レベルを正常の約15%から約35~40%まで引き上げたかを説明します。

Bobbie の25項目のリストのうち2項目は薬についてですが、残りの項目のほとんどは日々の生活習慣とルーチン(いつもの手順)についてです。

彼女は、計画的な休息を定期的に取る、制限内で生活する、などのペーシング戦略を使います。

実際、項目のおよそ半分は彼女自身に制限を設ける戦略で、例えば、車の運転、コンピュータを使う時間、電話の時間、感覚入力、社交的な付き合い、家事、旅行などに制限を設けます。

活動の一つひとつに制限を設けるには、2段階の方法で取り組みます。

まず、前章で説明した技術を使って、あなたの制限を見付けてください。

そして次に、活動をその制限内に徐々に合わせてください。

例えば、どれくらいの時間立っているか、どれくらいの時間あるいは距離車を運転するか、どれくらいの時間コンピュータあるいは電話を使うか、どれくらいの時間社交的でいるか、家からどれくらい離れて旅行するつもりか、どれくらいの時間家事をするか(あるいはどの家事をするか)。

一部の人々は制限を守るのにタイマーが役立ちます。

活動時間を短くする

全体的な活動レベルを制限して症状をコントロールすることに加えて、活動の「しかた」を調整すれば、症状にさらに影響を与えることができます。

一つの仕事を二つの短時間の仕事に分け、間に休憩をはさめばいっそう生産的になり、分けない場合と同じ時間の仕事をしてもそれほど症状を感じないでいられます。

野菜を切り刻むように作業してください。一部の人々は10分でストップするならば痛みを全く感じませんが、その制限を超えて続ければ痛みは1、2時間続くかもしれません。

これと同じ原理は、さらに長い時間にも応用できます。

例えば、あなたは、たくさんの活動を1、2日でするのではなく、1週間かけて行えば、全体の症状レベルがより低いと分かるかもしれません。

我々のプログラムの一人が経験したように、非常に短い活動時間でも多くを成し遂げることがまだ可能です。

CFSのせいで活動をひどく制限されたこの女性は、二つの文書を翻訳するように頼まれました。彼女は試行して、自分で具合が悪いと感じる前まで、1回に15分だけコンピュータで仕事ができると分かりました。

彼女は、15分の仕事をそれぞれ1日4回して、合計が1時間になるようにしました。

そして、5カ月で翻訳を完了しました。

後に、彼女は1日4回から1日8回まで労働時間を増やすことができました。

活動を切り替える

より多くのことを成し遂げるもう一つの戦略は、ある一つのタイプの活動から別のタイプの活動に切り替えます。

例えば、身体・精神・社交活動の間で切り替えます。

コンピュータを使ったあと、気づくと自分が疲れているとしたら、そこでストップして友人に電話するか、あるいはキッチンに行って夕食を作ってもよいでしょう。

作業の切り替えを使うもう一つの方法は、まず活動を困難別のカテゴリーに分けます。

そして、異なるカテゴリーの中から活動を選び出して頻繁に切り替えるとともに、最も負担が大きい活動を1日にほんの少しだけ予定します。

1人が次のようにしました。「私はまず、活動を軽い・中くらい・重いに分けます。

次に、異なるカテゴリーの活動を交互に行えるように1日の計画を立てます。

このように自分のペースでやることによって、もっと多くのことができ、症状を最小限に抑えることができます。

実際、私は1日にこなせる量にびっくりしています」

置き換えの法則を使う(飼い葉おけの豚)

「あともう一つ」をすることは容易ですが、これはしばしばより重い症状を引き起こします。

これを解決するには、追加ではなく置き換えを考えます。

スケジュールに新たな項目を入れるとき、他の項目を一つ外してください。例えば、あなたの制限内で1週間に3回外出でき、新たな問題が生じるならば、「1週間に3回」の制限を守るために、いつものピクニックの一つを延期する方法を見付けてください。

この戦略は“pigs at a trough”(飼い葉おけの豚)と呼ばれることがあります。

飼い葉おけのそばの場所は制限されています。

新しい豚が入ることができる唯一の方法は、もう一匹の豚を押し出すことです。