・「エネルギーエンベロープ」用紙は大きく分けて五つのセクションから成っています。
疾患(Illness)
このセクションは主に、慢性疾患の重症度や他の慢性疾患を書きます。
あなたの安全な活動レベルはCFSや線維筋痛症の症状パターンと症状の程度で決まります。
最初に、安全な活動レベルを知るために、自身を第2章の「評定尺度」の上に置いてください。
正確を期すために、あなたをよく知っている人にもあなたを評定してもらい、二つの評定を比較してください。我々は、CFSやFMの人々が自身を評定すると、平均して、他の人々が評定するよりも5~10ポイント高く評定すると分かりました。
また、このセクションは、他の疾患、そしてその疾患とCFSや線維筋痛症との間の相互作用も簡潔に書きます。
幾つもの内科的な疾患があれば、CFSや線維筋痛症を抱えて生活することが複雑になります。
CFSや線維筋痛症のほかに何か慢性の疾患があるならば、それも用紙に記録してください。
また、短期間の疾患もCFSや線維筋痛症と相互に影響し合うかもしれません。
CFSとFMの症状に共通するパターンは、症状が他の疾患によって悪化することです。これは時々遅延があります。
そのため、急性疾患が漸減してもCFSや線維筋痛症の症状が突然悪化します。
活動(Activity)
このセクションは、症状をさらに悪化させることなく、自分がどれだけ活動できるかを書きます。
我々は三つの領域の活動を調べます。
身体活動、精神活動、社交活動です。
身体活動とは身体運動を伴うどんな活動も意味します。
身体活動には、家事、買い物、立っていること、車の運転、運動などがあります。
この領域のあなたの制限を決めるため、症状を悪化させることなく身体活動を1日に合計何時間できるか見積もってください。
身体活動の影響は累積することがあるので、症状を悪化させずに1週間にわたって活動を続けられるのは、1日何時間か自問するのもよいです。
また、一日のどの時間帯に活動するのが良いか悪いかも記すことができます。
一部の人々は、一日の「良い」時間帯で活動すれば安全だけれども、他の時間帯では症状を引き起こすと分かります。
その次に、家事、買い物、立っていること、車の運転、運動など、さまざまな具体的な身体活動をどれくらいできるか、それぞれ時間を見積もってください。
精神活動とは、読書したり、コンピュータで作業したり、あるいは小切手帳の帳尻を合わせたりというような、集中力を必要とする活動を意味します。
この領域で答えるべき質問は三つです。
「1日で精神活動に費やすことができる時間は?」「1回の活動に費やすことができる時間は?」「頭脳労働をするのに一日で最も良い時間帯は?」。
例えば、一部の人々は何の問題もなく15分か30分の間コンピュータで作業できますが、もっと長く作業すると症状が現れると分かります。
また、一日のある特定の時間帯でより生産的になるかもしれません。
これらがあなたに当てはまるならば、1日1回長い活動をするのではなく、1日2回以上の短い活動をすれば、あるいは一日のある特定の時間帯だけコンピュータで作業すれば、頭にかかったもやや他の症状を引き起こすのを防ぐことができるかもしれません。
社交活動は、他の人々と交流して過ごす時間を記します。私は、二つのタイプの社交活動について考えることを提案します。
人とじかに会うタイプと、その他(電話と電子メール)のタイプです。
それぞれのタイプで自問すべき質問として、「1日で他の人々と過ごせる時間は?」「1週間では?」「その時間は、特定の人々や状況によって違うか?(短い時間だけ我慢すれば一緒にいられる人たちもいれば、一緒にいれば落ち着く人たちもいるかもしれません)」があります。
また、人とじかに会うミーティングでは、環境によって変化があるかどうか自問してもよいです。
公共の場所、あるいは大人数のグループでミーティングすれば、ストレスが多いかもしれませんが、それぞれ、人のいない所、あるいは小人数のグループでミーティングすれば大丈夫かもしれません。
睡眠と休息(Sleep and Rest)
このセクションは、夜の睡眠と日中の休息に費やす時間、そしてその質を書きます。
睡眠の領域では、あなたの調子を理解するために、次のような質問をしてください。
「必要な睡眠時間は?」「就寝と起床の最も良い時刻は?」「睡眠の質は?」
ここでいう「日中の休息」とは、静かな環境で目を閉じて横になることを意味します。
休息の領域の質問には、「必要な日中の休息時間は?」「休息は何回?」「休息の質は?」があります。
感情と気分(Feelings & Moods)
このセクションは、我々が抱く感情、特に、心配、憂鬱、怒り、悲嘆を記します。
この領域の質問には「今の生活で抱く切実な感情と、その強さは?」があります。
また、このセクションは感情的な出来事や人々に対する敏感さも書きます。場合によっては、健康であったときより強い情緒反応を引き起こすかもしれません。
そして、この強い情緒反応は症状を悪化させるかもしれません。
なぜなら、感情的な出来事はアドレナリンの放出を引き起こし、しばしば症状を悪化させるからです。