問題解決
疼痛を引き起こすか、あるいは強める状況を突き止めて、その状況を変える措置を講じれば、ある程度疼痛をコントロールできます。
例えば、かつてのように家事をこなすことができなくなったとします。
問題解決を使うとき、さまざまな解決策をブレーンストーミングで引き出します。
家事を数日に分けてする、休憩時間を取り入れて1日でする、家族あるいは雇い人の手を借りる、などの策を引き出します。
それから、解決策がうまくいくかどうか確かめるために実際に試してみて、評価して、また試します。
あなたが職に就いていて、締め切りに追われて働くときに痛みが増すと分かったとしたら、問題解決は幾つか具体化できるでしょう。
あなたは、筋肉の緊張をほぐすのに時間をかけるようになるかもしれません。
さらに、自分の置かれた状況をもっと幅広く見て、作業過負荷が再発問題であることを確認して、仕事の時間を減らすか、役職を変えるか、あるいは仕事を休もうと考えるかもしれません。
仕事の選択肢の詳細については第15章を見てください。
楽しい考え・活動(疼痛を紛らす)
楽しい考えや活動に熱中すれば、気晴らしとなって、疼痛感を小さくすることができます。
心象は、楽しいシーンを思い浮かべるとき、できるだけたくさんの感覚を必要とするので、特に有効です。ビーチに行きたいならば、光が水の上でちらちらするのを見て、肌に太陽の暖かさを感じ、波が砕ける音を聞き、ホットドッグのマスタードのにおいをかぎます。
また、楽しみをもたらしてくれる活動をすれば、疼痛を紛らすことができます。
例として、読書、映画鑑賞、入浴、音楽鑑賞あるいは楽器演奏、自然の中で時間を過ごすなどがあります。
肯定的な心のつぶやき
人の考えは、まず気分に、次に疼痛知覚にと劇的に影響することがあります。
これは悪循環になることがあります。
症状が悪化すれば、「もう良くならない」「絶望的だ」といった否定的考えが引き起こされるかもしれません。
このような考えは、疼痛を強めて、もう一度否定的考えと、もっと多くの筋肉の緊張を引き起こすので、人を不安にし、悲しくさせ、怒らせ、そして無力にすることがあります。
しかしながら、第31章で説明する 3ステップのプロセス(過程)を使えば、習慣になっている否定的考えを認識して、それを変える方法を習得することが可能です。
同様の方法は、 David Burns 著の Feeling Good (『いやな気分よ、さようなら』)や Martin Seligman 著の Learned Optimism (『オプティミストはなぜ成功するか』)のような本で見ることができます。
あるいは、「認知療法」に長けているカウンセラーの手を借りることもできます。