●2005年1月27日教育施設課が作成した「保土ヶ谷高校北棟他防水工事補修工事に係る使用材料一覧表」を基本資料として検討が進められた。
この表には、西棟5階での防水工事に関する調査が全くない。
9月28日から10月7日に行われた西棟工事の記録がない。
●2005年8月23日、改修工事の報告書で、北棟150m、西棟53mのクラック処理が報告された。
この重要なクラック長さ、幅、位置は、検討委員会の資料に報告なし。
クラックの具体的な幅を示す調査写真もない。
●使用材料名のみ委員会に報告された。
以下の数量は、施工業者の提出した納品書より転載した。
USウレタンプライマー16kg=6缶、エクセルトップ16 kg=6セット、US100立上りグレー18kg=13セット、US100グレー27kg=39セット。
主な使用材料総量は、合計1479kgに上る。安全データシートによって算出した有害有機溶剤の使用量は、500kgを超える。
施工業者は、希釈剤としてトルエン・キシレンを使用したことを認めているが希釈剤についての検討もない。
●作業報告書・安全衛生日報・危険予知活動実施記録の報告がない。
安全日報には住民(職員・生徒)からの異臭苦情や、教室で臭気を確認した事実が記載されていない。
社団法人神奈川県土地建物保全協会の総則では、製品安全データシートの常備を義務づけ、環境保全を務めることになっていた。
住民から苦情があった場合は、速やかな処置、事故経緯の文書報告を明記している。
神奈川県は委託契約者=保全協会の業務責任を全く追及していない。
●生徒の健康被害に関する調査報告書が提出されていない。
2005年5月2日の調査で308名の生徒が体調不良を訴えた。専門医の診断を受けた職員に関する健康被害の資料なし。
2005年5月7日に健康調査集計結果が保護者に配布された。
1年(5階)126名、2年(4階)111名、3年(3階)71名、合計308名の生徒が体調不良を訴えた。
主な症状は、頭痛・吐き気・脱力感・疲労感・眼のかゆみ・のどの痛み等である。
有機溶剤による健康被害を防止する検討会議にて、生徒の健康被害の実態が、完全に隠蔽された。
●T教授発言=2005年6月20日の議事録 「初期段階で、かなりの量がクラックを伝って抜けているのではないか」「化学物質放散量100μg/m2・hでも、換気回数を4.4回/hとした場合の室内濃度は、6.5μg/m3程度である。」 原告意見=ダイヤ分析センターが行ったフレック検査では、放散速度と気中濃度(4.4回/hの換気を想定した数値)が報告されていた。
基本的には、T教授の発言とは反対に、放散速度の1.5倍程度の高い気中濃度が報告されていた。