その3:第6部:化学物質過敏症に関する情報収集、解析調査報告書 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

②日本壁装協会
日本壁装協会では、室内空気環境問題について、1990 年代半ばより取り組んでおり、同協会のホームページによれば、「1995 年に「健康と安全に配慮したインテリア材料に関するガイドライン(インテリア材料の基準値)」を制定し、ISM(InteriorSafety Material = インテリア セーフティ マテリアル)をスタートさせ、1996 年には、ガイドラインに準ずる商品の供給に向けて「ISM マーク表示制度」を発足させた。

1997 年にはISM の公正・中立な運営のため第三者(学識経験者)による「ISM 機構」を設置した。

基準の制定・改正、工場審査、製品審査、品質管理体制の確認までの全てを、この「ISM 機構」が行っている。

2005 年、国における規制の変遷もあり「壁紙の環境技術基準」の改正を行い、全ての工場、製品の再審査を経て2007 年より新しいISMとしてスタートさせた、としている。
ISM 壁紙では、このように製品審査・品質管理等を第三者機構に委ねており、また、製品の基準値については、厚生労働省の室内濃度指針値の全てを規制の対象としている。

なお、平成18 年時点のISM 登録工場は15 社となっている。

表-4.3.14に、ISM 壁紙の基準値のうち化学物質関連項目について示す。

表-4.3.14 日本壁装協会のISM 壁紙基準値(化学物質関連項目)
物質名     ISM基準値   厚生労働省指針値
ホルムアルデヒド5 μg/㎡・h 100 μg/m3(0.08ppm)
アセトアルデヒド10 μg/㎡・h 48 μg/m3(0.03ppm)
トルエン15 μg/㎡・h 260 μg/m3(0.07ppm)
キシレン30 μg/㎡・h 870 μg/m3(0.20ppm)
エチルベンゼン30 μg/㎡・h 3800 μg/m3(0.88ppm)
スチレン25 μg/㎡・h 220 μg/m3(0.05ppm)
パラジクロロベンゼン25 μg/㎡・h 240 μg/m3(0.04ppm)
テトラデカン35 μg/㎡・h 330 μg/m3(0.04ppm)
TVOC 100 μg/㎡・h 暫定目標値400μg/?
クロロピリホス
1 μg/m3(0.07ppb)
但し、小児の場合は
0.1 μg/m3(0.007ppb)
フェノブカルブ33 μg/m3(3.8ppb)
ダイアジノン0.29 μg/m3(0.02ppb)
フタル酸ジ-n-ブチル220 μg/m3(0.02ppm)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル120 μg/m3(7.6ppb)
塩化ビニルモノマー0.1 mg/kg
出典:日本壁装協会HPを基に作成


③押出発泡ポリスチレン工業会
押出発泡ポリスチレン工業会では、同工業会ホームページによると、「スチレンを重合反応させたポリスチレン(プラスチック)を原料として生産される押出法ポリスチレンフォームには、原料中に残る微量のスチレン、不純物として極微量のトルエン、キシレン、エチルベンゼンが検出され、これらがVOC 物質として放散されることが確認されている。

(このため、シックハウス問題を考慮し、)製品の安全性を確実にするために、出荷時の押出法ポリスチレンフォーム板から放散されるスチレンの放散速度を50μg/m2・h以下とすることを申し合わせている」、としている。
なお、同工業会に登録しているのは、平成18 年時点で4 社である。