・3.調査の内容
本調査のフローは以下に示すとおりである。
調査の実施にあたっては、適宜、有識者ヒアリングを実施し、その指導の下、調査を進めた。
・3.1 化学物質過敏症等の病理学的な知見等
以下に示す報告書等を中心に関係文献をリストアップした。
・ 「室内空気質と健康影響 解説シックハウス症候群」(平成16 年2 月、室内空気質健康影響研究会)
・ 「平成12 年度~平成16 年度 本態性多種化学物質過敏状態の調査研究 研究報告
書」((財)日本公衆衛生協会)
・ 厚生労働科学研究費補助金健康科学総合研究事業:「全国規模の疫学研究によるシックハウス症候群の実態と原因の解明 平成17 年度総括・分担研究報告書」(平成18年3 月) 等以上の関係文献等のうち、主要なものについて収集し、化学物質過敏症等の病態、原因、治療法等の知見を整理した。
・ 化学物質過敏症等の基礎情報(概念・定義・呼称、背景・経緯等)
・ 病態・症候(臨床研究報告等)
・ 原因(発症関連因子、化学物質以外の環境因子の関与、学会等の見解等)
・ 治療法(診療・治療法等の経緯、現状、課題) 等
3.2 化学物質の濃度と曝露量の調査等
環境省、厚生労働省等による調査結果を基に、室内及び屋外における化学物質濃度のデータをとりまとめた。なお、とりまとめ対象とした主な化学物質は、厚生労働省の「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」が室内濃度に関する指針値を策定し
ている以下の14 物質(総揮発性有機化合物(TVOC)を含む)とした。
<室内濃度指針値策定物質(14 物質)>
・ アセトアルデヒド
・ フェノブカルブ
・ ホルムアルデヒド
・ トルエン
・ キシレン
・ パラジクロロベンゼン
・ エチルベンゼン
・ スチレン
・ クロルピリホス
・ フタル酸ジ-n-ブチル
・ テトラデカン
・ フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
・ ダイアジノン
・ 総揮発性有機化合物量(TVOC)
3.3 化学物質過敏症等に対する対策
屋内環境の指針値や、建築基準法や労働安全法、ビル管理法、有害物質を含む家庭用品の規制に関する法律等による規制基準や、家具等の業界自主基準についてとりまとめを行った。
さらに、製造物責任法による製品の規制との関連等についても調査を実施し、これらを一覧表等として整理を行った。
3.4 問題例の収集・解析
公害等調整委員会調査、近年の新聞記事、判例集等から、労災認定や判例、公害苦情相談等を整理し、個表形式等によりとりまとめた。
特に、労働環境を除く一般環境、屋内環境からの曝露によるものについては、曝露量、法令等の適用関係等の詳細についてとりまとめた。
なお同時に、「化学物質過敏症患者の会」、「化学物質問題市民研究会」などのNGO の動向等についても、ホームページ検索等により情報を収集した。
3.5 課題の整理
上記の成果を基に、化学物質過敏症等に関して、今後調査を実施すべき事項等を整理するとともに、公害苦情処理、紛争処理を実施していく上での課題を整理した。
3.6 有識者ヒアリング
調査の実施にあたっては、有識者ヒアリングを実施し、その指導の下、調査を進めた。