文部科学省 疲労研究班平成14年度研究2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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(3) 不登校状態の研究
 中枢性の慢性疲労状態である不登校状態において、思考、判断、持久などの全ての能力に障害が存在することを明確にし、脳における原因病態を探り治療法の確立を行う。


●2.2 疲労および疲労感の分子・神経メカニズムの解明
 疲労軽減方策の確立に資する、疲労および疲労感の分子・神経メカニズムの解明を行うために、疲労感脳担当候補部位の確立、神経・免疫・内分泌の相関においてのストレスと疲労の位置づけの研究を行う。

(1) 疲労感の脳担当部位とその部位の役割
1. 疲労にともなう前頭葉・辺縁系の神経機能撹乱
 脳内の疲労感に関与している領域の検討を行い、この領域における疲労及び疲労関連物質が引き起こす神経機能撹乱の機構を明らかにし、疲労感がどのようなメカニズムで処理されるかを解明する。


2. 前頭前野セロトニン・ドーパミン系とグルタミン酸神経伝達系の関連
 慢性疲労症候群の治療として、ドーパミン遊離を促進するシンメトリル等が奏功するという知見を受け、前頭前野のグルタミン酸神経伝達およびアセチルカルニチン取り込みのモノアミン系による調節機構を解明する。


3. 疲労状態における快情動の神経機構の解明
 快い笑いがストレス解消や健康の維持増進に有用であるという知見を受け、これまで未解明であった快情動の神経回路を明らかにし、それを応用した疲労及び慢性疲労症候群の治療法の研究を行う。


4. 疲労状態における脳活動の解析と神経回路の解明
 慢性疲労状態の実験動物の、知覚刺激に対する脳局所血流量や脳局所グルコース利用能等の脳活動をPETやfMRIを用いて非侵襲的に測定する。また、アセチルカルチニンの取り込み、グルタミン酸、ドーパミン、セロトニンの遊離放出など神経回路の解明を行う。


(2) 疲労生体信号と神経・免疫・内分泌相関の調整
1. サイトカインの疲労生体信号への道筋
 サイトカインおよびその関連物質と、疲労のメカニズムの関連を部位別に検討する。

また、ストレス時に末梢神経で発生した疲労因子が脳にどのように到達するのかをサイトカイン産生や疲労の発現の関連において解明する。

2. 疲労等による神経内分泌機構変調の動態解明
 生体防御系調節に主要な役割を果たすCRF-ACFH分泌系のストレスに起因する動態を解析することにより、ストレス後に長時間持続する疲労の神経メカニズムと脳内調節因子を解明する。

3. 疲労等による摂食及び高次脳機能の変調様式の解明
 慢性疲労症候群関連物質であるアセチルカルニチンが摂食調節回路や学習・記憶回路をどのように変調するかを動物モデルによって明らかにし、アセチルカルニチン治療の有効性を検討する。

4. 活性酸素代謝とレドックス制御系の役割解析
 疲労回復させる、疲労神経回路をリセットさせる機構としての生体還元系の破綻が、全身疲労を起こすとされることから、本研究では、疲労度の生化学的パラメーターの確定、動物モデル系の確立を通じて、疲労病態の代謝改善法の確立を行う。


●2.3 疲労病態制御技術の開発
 疲労定量技術、疲労病態の治療技術の開発に向けた研究のほか、伝承的治療法の評価法確立を、上記2.1及び2.2で得られる成果を背景に行い、具体的な疲労軽減の方策を提言する。

(1) 疲労度の定量化・指標化と疲労を和らげる生活の提言
1. 疲労の定量化及び指標化技術の開発
 これまで、疲労制御技術開発の前提として、その効果を計る基準・指標が無かった。

そこで、疲労と相関すると考えられる血中や脳脊髄液中の因子の解析を行い、疲労を客観的に定量化する技術の研究を行う。

2. 伝承療法等の評価と疲労を和らげる生活の提言
鍼灸、マッサージ、低周波、伝承薬、栄養剤等の伝承療法等の調査、データベース化を行い、本研究の知見を結集し、治療方法及びその評価指標をとりまとめる。

これらの成果を総合して疲労をやわらげることのできる国民生活についての提言を行う。

(2) 疲労病態に対する治療技術の開発に関する研究
 慢性疲労ウイルスの研究をもとに、ワクチンや予防接種の開発につながる研究を行うとともに、慢性疲労症候群の発生機序に即した新たな治療法の開発を行う。

また、既存の療法並びに上記研究で得られた新規候補等についても、検証を行う。

3.研究推進の方策

  研究の推進にあたっては、上記2.1~2.3の各項目に対応して第1班~第3班を設ける。第1班では、慢性疲労等を主症状とする疾患を対象とし、その克服・制御技術の開発の基礎となる、病的疲労の研究を行う。

一方、第2班では、一般的な疲労および疲労感について、その分子・神経メカニズムの解明を行う。

慢性疲労と一般的な疲労には共通の課題および発生機序があることから、第1班および第2班の研究は、知見を共有しながら効率的に研究を進める。

またその成果は、第3班の疲労制御技術の開発につながるとともに、既存療法等の評価手法の確立及び疲労をやわらげることのできる生活の提言にあたっての科学的根拠を提供することになる。


runより:文部科学省の研究は平成15年で終了しています、残念だと思いますが文部科学省も研究していたという貴重な情報で;慢性疲労症候群の学生の理解を求める事が出来ると思います。

平成15年度の研究は明日掲載します。