・胎児と幼児の影響の受けやすさ
Vulnerability of the Fetus and the Infant
6.5 ホルモンかく乱物質として作用する化学汚染物に対する被ばくは胎児と子供の発達に影響を及ぼすことがあることを、研究が示している。
証言人は、妊娠の瞬間から、胎児は胎盤を通じた母親の身体からの汚染物質と接触することを協調する。81
農薬は胎児により胎盤及び皮膚・肺を通じて吸収される。
胎児による呼吸運動は、特に胎児がストレス下にあるなら、羊水中の物質を気管に達せさせる。82
カナダ小児保健研究所のサンドラ=シュバルツ女子は次のように述べた:
農薬は母親の身体から発達中の胎児又は胚に移されうる。
例えば、...濃度のリンデン及びDDEが羊水中に発見されている。83
新生児の栄養摂取はとてつもなく大きい:初期の年の間、単位体重あたりのカロリー要求は大人より5倍高い。84
これらの要求は母乳によってもっぱら満たされうるが、この重要な食品は新生児を汚染物質に曝すかも知れない。
カナダ公衆衛生協会のニコル=ブルインスマ博士によると、女性は体の中に汚染物質を蓄積し、母乳に排泄し、こうして次に汚染物質を新生児に渡す。
子供に最も危険な汚染物質は、この段階の脳の急速な成長のため、脳の発達に影響するものである。
母乳は食物連鎖の最頂点にある食品を代表するので、現在母乳は人間がとることのできる最も汚染された食品である。
母乳は私たちの身体内ですでにもう一度濃縮されるために、曝される何ものよりも一層濃縮される。
そして、母乳は幼児が子宮から出てきたとき、誕生の瞬間、影響の受けやすさが最大の瞬間に、幼児の口に入れられる最初の食品である。85
子供の健康への影響
Effects on Children's Health
6.6 本委員会は、有機塩素及び他の殺虫剤が内分泌系をかく乱し、胎児の発達に跳ね返ること(間接影響)及び、汚染物質が神経系を障害することによって、行動に影響を及ぼすことによって、免疫系と生殖器官に干渉することによって、発達の非常に早い段階で直接に子供に影響を及ぼしうることに深く懸念している。
胚及び胎児・子供の発達の様々な段階は、正確な濃度で特定の時期に、体の特定の場所に発現し、別の所で受容される特定の化学メッセンジャーにより調節される。
もし別の化学物質がこれらのメッセンジャーに影響を及ぼすなら、これらの段階のどこか一つで不可逆的害を生じるかも知れない。
この結果は、無数の問題の拘束を解くかも知れない生殖系の発達及び機能で見られるだろう。
6.7 子供の健康の分野で米国で実施された研究は、現在子供を冒している主な病気は性質上慢性的である事実を強調している。
喘息により死亡率及び尿道下裂の割合(尿道下の開口がその先端でなく陰茎の下側にある先天障害)が倍加し、白血病及び脳の癌が増加し、神経発達障害が広がっている。86
非ホジキンリンパ腫及び生殖器官の腫瘍のような、農薬被ばくによる他の長期的問題も疑われている。87
公聴会の間、親の働く場所(例えば農業地域での家族生活)と小児癌及び先天障害の割合増加との間の可能性のある関連に注意が向けられた。88
世界自然保護基金のコルボーン博士及びカナダ学習障害協会のマックエルガン女史も、神経発達に対する影響のため、農薬は行動に否定的影響を持つかもしれないという仮説を提案した。
[...]一研究が最近エリザベス=ギレット博士によりメキシコで行われ、彼女は4才と5才の間の子供を調べた。
一つのグループは農場と家庭が使うために多くの農薬に曝され、丘に住んでいる他のグループは実質的に農薬被ばくを全く受けていなかった。
精神及び運動能力の両方で両グループの間に非常に重大な差があった。農場地帯出身の子供はより低いレベルに点数をつけられた。
彼らは丘に住む対応した農薬のない子供と比較して攻撃行動が増加していた。
彼らの遊びは非常に孤立している可能性が高く、多くのごっこ遊び及びその種のことを示さなかった。89