放射能・ベクレル・半減期 -放射線研究をめぐるまぎらわしい用語- 2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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屋内に入ってくる放射線は、線量計(サーベイメータ)で測定します。

壁などによって放射線が吸収される結果、木造家屋で屋外の4割、コンクリート製の場合で屋外の2割程度まで減少するとされています。

= 単位の重要性 =

国立環境研究所には木工室があり、研究者の依頼によりさまざまな器具を作ってくれます。

ある時、実験台の作製をお願いしたところ、手のひらに乗るような小さなものを渡されたことがありました。

頼む側はcm単位で図面を引いたのですが、作る側はmm単位で工作したため、1/10スケールのミニチュアができあがってしまったのです。

これなどは、単位を省略したための誤解にあたります。

 放射能の量の単位はBq(ベクレル)を用います。

1秒間に1回崩壊を起こす放射能を1Bqと呼びます。

このことは直感的に理解しやすく、5000 Bqの土壌は1秒間に5000回崩壊を起こし、それにともなって放射線を放出していることになります。

ところで、食品中の放射性物質の基準などの場合、Bq/kgの単位を用います。

こちらは1kg(単位質量)あたりの放射能なので、放射能濃度とでも呼ぶべき単位です。

5000 Bq/kgの土壌1kgと1000 Bq/kgの土壌5kgは、同じ放射能を持ちます(図2)。

一方、土壌への放射性セシウムの沈着を評価するような場合、単位面積あたりの放射能で、例えば5000 Bq/m2のように表現します。

これは1m2の土壌表面に5000 Bqの放射能が存在することを意味するのではなく、ある深さまでの土壌全体に5000 Bqの放射能があることを示します。

5000 Bq/kgの土壌が5000 Bq/m2となる訳ではありません。

 一方、先ほどの屋内での線量測定などの場合、人への影響を考慮した線量率μSv/h(マイクロシーベルト毎時)で数値を表します。

例えば、0.1 μSv/hの場所に10時間滞在していたならば、10倍して1μSvの被ばく線量と計算されます。

また、放射性物質からの距離が離れたり、先ほどの屋内の例のように遮へい物があると線量は低くなります(図2)。

放射能を表すベクレルと、線量を表すシーベルトの2つの単位が使われることは避けられません。

なお、場所の測定から実効線量を推定するのに対して、線量計を着用する個人線量当量も測定可能です。


図2 土壌中の放射性セシウム濃度と線量の模式図


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