放射能・ベクレル・半減期 -放射線研究をめぐるまぎらわしい用語- 3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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= 半減期で放射能はなくなる? =
半減期という言葉もよく耳にします。

文字通り、放射能(放射性物質の量)が半分になる期間という意味で、セシウム137が約30年、セシウム134が約2年の半減期を持っています。

仮に1億個のセシウム134があった場合、2年後には5000万個まで減少していることになります。

4年後には2500万個のように半分ずつに減少して行き、半減期の10倍の時間がたつと、約千分の一まで減少します。

しかし、半減期が経過すると放射能がなくなってしまうわけではありません。

このことが、放射能とのたたかいを長期化させる要因と言えるでしょう。

 先ほど1億個のセシウム134と書きましたが、1億個のセシウム134はいったい何ベクレルなのでしょうか。

この計算はやや複雑なので、結果だけを示しますと、1億個のセシウム134は約1Bqになります。

もし、1Bqが1個のセシウム134のことだと思っていたとしたら、大きな誤解です。

当然のことですが、放射能濃度1Bq/kgの土壌1kg中には、約1億個のセシウム134が含まれていることになります。

これを通常の汚染物質のような濃度(正しくは質量分率)で表すと、0.02 ppq(ppqはppmの10億分の1)に相当します。

このように低い濃度の物質は通常の分析手法では測定できません。

放射能測定がいかに鋭敏な分析手法であるかが理解いただけると思います。

 すでに原発事故から2年が経過していますので、セシウム134の放射能は物理的な崩壊により半分になっています。

それに加えて、生物からは体外への排出プロセスにより、環境中では除染効果や移動等により、物理的な半減期よりも早く減少することが期待されます。

このような生物や環境中での放射性物質の移行過程を詳しく調べ、将来予測へとつなげて行くことを、国立環境研究所の研究課題の1つとして行っています。
(たなか あつし、環境計測研究センター
  同位体・無機計測研究室 主任研究員)


執筆者プロフィール

震災そして原発事故以後、研究対象が大きく変わってしまいました。市民の方々と接する機会も増え、研究結果の伝え方について頭を悩ますことも多い昨今です。


runより:やっかいなのは半減期ですね、化学物質にもあります。

ところでテェルノブイリ近郊の街では市場で放射能測定した物だけを売っています。

確かウクライナだったと思うのですが日本も安全というならしたらいいのに。