3) エアコンの冷媒にオゾン層破壊と地球温暖化影響の小さい物質を使用し、その量が少ないこと
○ カーエアコンの冷媒には、かつてオゾン層破壊物質であるCFCs(クロロフルオロカーボン)が使用されていましたが、91年からオゾン層を破壊しないHFCs(ハイドロフルオロカーボン)に切り替えを始め、現在は生産している全車種でHFC134aが使用されています。
しかしHFCsは温室効果ガスであり、二酸化炭素の1,300倍の温室効果が指摘されています。
97年に開かれた「気候変動に関する国際連合枠組条約」の第3回締約国会議では、排出削減の対象物質に加えられました。
○ 日本自動車工業会では、(社)日本自動車部品工業会をはじめとする業界団体と協力し、2010年の冷媒の使用量を1995年比20%以上削減する自主行動計画を立てています。
新型車へは省冷媒型機器の導入が進められており、2004年現在220車種中177車種に省冷媒型機器が導入されています。
自動車メーカーでは、冷媒使用量削減と同時に、HC(炭化水素)やCO2など代替冷媒の研究も続けています。
一部の燃料電池車にはCO2冷媒エアコンシステムも採用されていますが、一般車への実用化については、可燃性や冷却効率など実用に向けた課題が残されています。
○ 使用済み自動車から出るHFC134aは、「自動車リサイクル法」の仕組みとしてフロン類回収業者が回収することになっており、回収された冷媒は基本的には回収・破壊されますが、(再充填用として)再使用されるケースもあります。
これは自動車製造工程でのカーエアコンへの冷媒充填時や、カーエアコン使用時だけでなく事故や補修時にも漏れる場合があるので、それゆえ、冷媒の代替及び使用量削減が必要とされています。
(基本原則2-1に対応)
4) 鉛、水銀、カドミウム、六価クロムを極力含まないこと
○ 一般的に、自動車には様々な化学物質や重金属類等が含まれています。
現在メーカーでは、機器に含まれるそれらの物質量を管理・把握するための取り組みを行っています。
○ 化学物質や重金属類のうち、環境へ悪影響を与える可能性がある物質については、使用量の削減や他の物質へ代替する取り組みがメーカーで行われています。
また、環境に配慮した原材料の調達の一環として、メーカーと部品メーカーが協力して環境に悪影響を与える可能性がある物質の機器への含有量を削減する取り組みが行われています。
今後、この取り組みが一層活発化していくと考えられます。
とりわけ、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムについては、製品が使用後に廃棄物として処理される際(焼却時や埋め立て等)に、大気や地下水などに排出されて環境に悪影響を与える可能性が指摘されています。
○ 日本自動車工業会では、鉛については、従来から「優先的に鉛削減を図る対象部品の具体的計画」を策定し、96年時点での平均的乗用車の鉛使用量1,850g(1,500ccから2,000ccクラス)に対し2000年末以降に発売される新型車で2分の1、2005年末以降の新型車で3分の1、2006年1月以降の新型車で10分の1に削減する目標を掲げて取り組んでいます。
さらに日本自動車工業会では鉛に加え、水銀、カドミウム、六価クロムの4物質についても時期を決めて原則使用禁止の自主基準を策定し、メーカーでは削減の取り組みがなされています(資料7)。
○ 購入にあたっては、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムの使用量が削減されたものを選ぶようにします。
(基本原則2-1に対応)