GM食品、消費者の「知る権利」にどう応えるか:2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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◆なぜ嫌悪されるのか?

 セミナーでは、こうした現状について説明したうえで、一般財団法人残留農薬研究所の青山博昭氏が、遺伝子組み換え作物の安全性について語った。
「昔からある交配による品種改良も、1996年に始まった遺伝子組み換え技術を使った品種改良も、生物の性質を決める遺伝子の組み合わせを変えているという意味では同じ。

どちらも“遺伝子組み換え”なのに、後者ばかり嫌悪されている」(青山氏)
 厚生労働省は、遺伝子組み換えの安全性については、「自然界では得られない組み合わせの遺伝子を人為的に作り出すことを懸念する声もある」とホームページで記している。

 青山氏はまた、「遺伝学を学んだ毒性学者の本音」として、「食品中にどのようなタンパク質が含まれていようと、それらのほとんどは消化管で分解されたのちに吸収されるので、特殊な事例を除けば、それらが生理活性を発揮するとは思えない」などとも語った。

 「特殊な事例」とは、アレルギーとBSE(牛海綿状脳症)を引き起こすのがタンパク質とされているからだ。

アレルギーは、タンパク質を食べても体内でアミノ酸に分解されず、塊のまま、つまり、アレルゲンとして消化管ではなく細胞の隙間から入る。

それが免疫細胞にキャッチされ、免疫反応が起こる。BSEは、やはりプリオンタンパクが消化管から体内に入り、肝臓で代謝されずに脳へ届くために起こる、という。

ただ、これは特殊な事例、と言われても、不安は残る。

一般財団法人残留農薬研究所の青山博昭氏

◆安全性をどう評価?

 遺伝子組み換え技術そのものの安全性を強調する青山氏だが、商品化のためには開発されたそれぞれの作物を安全評価することは必要であると認める。
 一般に、食品の安全性は、農薬などの毒性と違い、動物実験では評価できない。そのため「従来の作物や食品と比較して相違がないか」という、いわゆる「実質的同等性」で評価している。

この評価概念で遺伝子組み換え作物を評価することを「正しいと思う」と青山氏。
 また、商品化するにあたり、日本では3つの法律により安全性審査がなされている(カルタヘナ法、食品衛生法、飼料安全法)ことを紹介し、安全性を強調した。
 「実質的同等性」という概念は、1993年にOECD(経済協力開発機構)が提案し、現在、世界各国で採用されている。

一方、日本の法律は、諸外国と比べても厳しいものとして知られている。