受動喫煙防止対策について。その5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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Ⅲ 今後推進すべき受動喫煙防止対策について
(1) 国及び地方公共団体は、多数の者が利用する施設・区域のうち、全面禁煙とするべき施設・区域を示すことが必要である。

例えば、その施設を利用することが不可避である、医療機関、保健センター等の住民の健康維持・増進を目的に利用される施設、官公庁、公共交通機関等が考えられる。
(2) 国は、多数の者が利用する施設における受動喫煙防止対策の取組について、進捗状況や実態を把握する必要がある。
(3) 施設管理者及び事業者は、多数の者が利用する施設の規模・構造、利用状況等により、全面禁煙が困難である場合においても、「分煙効果判定基準策定検討会報告書」6)等を参考に、適切な受動喫煙防止措置を講ずるよう努める必要がある。

また、将来的には全面禁煙を目指すよう努める必要がある。
(4) 中小規模の事業所が多数を占める飲食店や旅館等では、自発的な受動喫煙防止措置と営業を両立させることが困難な場合があることに加え、利用者に公共的な空間という意識が薄いため、受動喫煙防止対策の実効性が確保し難い状況にある。

しかしながら、このような状況にあっても、受動喫煙をできる限り避けたいという利用者が増えてきていることを十分考慮し、喫煙席と禁煙席の割合の表示や、喫煙場所をわかりやすく表示する等の適切な受動喫煙防止措置を講ずることにより、意図せずしてたばこの煙に曝露されることから人々を保護する必要がある。
また、国民は、受動喫煙の健康への悪影響等について十分理解し、施設内での受動喫煙防止対策や表示等を十分意識する必要がある。

国及び地方公共団体等は、わかりやすい情報提供がなされるよう環境整備に努める必要がある。
(5) 喫煙可能区域を確保した場合においては、喫煙可能区域に未成年者や妊婦が立ち入ることがないようにする措置を講ずる必要がある。

例えば、その場が喫煙可能区域であり、たばこの煙への曝露があり得ることを注意喚起するポスター等を掲示する等の措置が考えられる。
また、このような場合においては、従業員についてみれば、長時間かつ長期間にわたりたばこの煙に曝露されることもあるため、従業員を健康被害から守るための対応について検討を深める必要がある。
(エビデンスに基づく正しい情報の発信)
(6) 国内での受動喫煙防止対策に有用な、下記のような調査・研究を進める必要がある。
① 我が国の特殊性を考慮しながら、室内空間の変化に対応した受動喫煙による曝露状況の調査やバイオマーカー(注1)を用いた受動喫煙によるたばこの煙への曝露を評価・把握するための研究
② 受動喫煙曝露による生体への影響の詳細について諸外国との比較研究調査や規制によるサービス産業への経済影響に関する調査研究、これまでの研究結果を利用したメタアナリシス(注2)等
③ 調査・研究によって得られたエビデンスや結果を有効に発信するための仕組みに関する研究
(注1)バイオマーカー:血液や尿に含まれる生体由来の物質で、体内の生物学的変化をとらえるための指標となるもの
(注2)メタアナリシス:過去に行われた複数の研究成果を集積・統合し解析する研究手法。これにより、研究成果の信頼性の向上を図ることができる
(7) 国・地方公共団体は、これらの研究成果を活用し、受動喫煙の実態や健康への悪影響、諸外国の取組状況等について情報提供を進めることが必要である。
(8) このほか、受動喫煙防止対策の推進に当たり、ニコチン代替製剤や内服薬等の禁煙補助薬等、禁煙希望者が安くかつ楽に禁煙する方法等の禁煙を促す情報等についても発信する必要がある。

特に薬局にて禁煙補助薬が入手可能になったことを広く周知する必要がある。

また、「残留たばこ成分」等の新しい概念や煙の出ないいわゆる「無煙たばこ」等の新しいたばこ関連製品に関する健康影響についての情報提供も重要である。
(普及啓発の促進)
(9) たばこの健康への悪影響について普及啓発し、禁煙を促す方法等について、健康教育の一環として、地域、職域、学校、家庭等において、関係者の対話と連携のもとで一層推進する必要がある。

特に健康被害を受けやすい乳幼児の家庭内受動喫煙防止のために、妊婦健診や両親教室など様々な機会を捉えて、禁煙とその継続を図るよう啓発することが重要である。
(10) また、保健医療従事者は、専門領域や本人の喫煙状況等にかかわらず、たばこの健康への悪影響について正確な知識を得て、健康教育、特に禁煙教育や喫煙防止教育にこれまで以上に積極的に携わっていく責務があることを自覚する必要がある。
今後検討を行っていく必要のある課題として、以下の事項が考えられる。