早期警告からの遅すぎる教訓3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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文献のレビューによると、電子機器産業で脳腫瘍のリスク増加が見られるよ
うだった(Hardell 等、1995)。

脳腫瘍のリスク増加を、症例対照研究でさらに調査することが決定された。しかし当時、携帯電話産業に対するアメリカでの裁判にも、いくつかのメディアが注目していた。
それは、携帯電話を繰り返し使用したために、ある女性は命に関わる脳腫瘍になったと主張していた。ロサンゼルス・タイムス紙の見出しは「過剰な携帯電話電磁波が有害性の疑問を提起する裁判」だった(Carlo とScharm、2001)。
そこで、下記で簡潔に述べた症例対照研究につながる4 件の研究の最初で、携帯電話に関する質問を加えることが決まった。
これは、長期使用のデータがいくつかある他の著名な発表論文やインターフォン研究、RF とがんの証拠に関するIARC 評価、そして関連する反応と議論によって追求された。
その目的は、この研究分野の全体的な論評をすることではないし、無線電話の使用に関する脳腫瘍リスクのメタ分析を伴う他の発表論文で見られがちなRF 被曝の潜在的な他の影響を扱うことでもない(Hardell 等、2006d;2009;Myung 等、2009;Cardis とSadezki,2011;Levis 等2011;IARC モノグラフ,印刷中)。
21.3 携帯電話使用と脳腫瘍に関する最初のハーデル・グループ研究?1999 年1999 年、スウェーデンのハーデル・グループは、脳腫瘍と携帯電話の使用に関する彼らの最初の症例対象研究の結果を発表した(Hardell 等、1999a)。

合計で、参入基準を満たした症例群の209 人(90%)と対照群の425 人(91%)が、郵送アンケートに回答した。

全体的に、携帯電話の使用と脳腫瘍の関連性はみられなかった。
アナログ式携帯電話(NMT)の使用と10 年以上の潜伏期間でわずかなリスク増加(しかし、統計学的に有意ではない)が見られた。

オッズ比(OR)は1.20 倍(95%信頼区間:CI=0.56-2.59)だった。

脳の側頭葉2、または後頭葉、側頭頂葉部にある腫瘍のリスクは、同側3被曝で増えた。

OR は2.42 倍(95%CI=0.97-6.05)。

(Hardell 等、1999a、2001)。
しかし、全ての結果は、少人数の被曝対象者と組織病理学的に異なる脳腫瘍のタイプに基づいていたので、確固とした結論を導くことはできなかった。しかも、この最初の研究ではコードレス電話の使用は含まれなかった。
2001 年にある学術誌の編集部の著者等は、ハーデル等の最初の研究の後で発表されたアメリカの「陰性」の研究(Inskip 等,2001)の論評で、「…携帯電話の使用は脳腫瘍のリスクを検出可能な程度に増やさなかった」、そして「携帯電話の使用は脳腫瘍を増やすという人騒がせな報告で高まった不安を、この研究は鎮めた」と述べた(Trichopoulos とAdami, 2001)。

この主張は、科学的な弁護を遥かに越えている。例えば、脳腫瘍の患者782 人の間で22 人だけが5 年以上携帯電話を使っていて、長い潜伏期間のデータは提示されなかった。

編集部は、ありがちな間違った考えを示した。

それは、データが仮定を実際に支持しない場合、「陽性ではない」研究がしばしば、「陰性」研究だと仮定されることだ。