早期警告からの遅すぎる教訓2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・21.1 イントロダクション
2011 年5 月31 日、世界保健機関の国際がん研究センター(IARC)は、携帯電話と、それと同様の非電離放射線の電磁界(EMFs)を発生させる、その他の機器からの放射線電磁界をグループ2B、つまりヒトに対して発がん性の「可能性」がある、と分類した。

9 年前にIARC は、頭上の電力送電線からの磁場も、2B に分類している。
携帯電話に関するIARC 決定は、主に2 組のヒトを対象にした症例対照研究に基づいている。

それは、IARC インターフォン[ Interphone] 研究とスウェーデンのハーデル[Hardell]・グループの研究だ。どちらの研究も相補性があるが、だいたい相互に支持する結果になった。
だが、携帯電話で脳腫瘍になる可能性に関するこれらの症例研究は、なぜ始まったのか?
21.2 ハーデル・グループ研究?1999~2011 年
スウェーデンはイスラエルと並んで、世界で最初に無銭電話通信技術を広く採用した国の一つだ。アナログ式電話(NMT、北欧携帯電話システム)は450メガヘルツ(MHz)と900 MHz の電磁界の両方を使って1980 年代初めに導入された。

NMT450 はスウェーデンで1981 年から運用されたが、2007 年12 月31日に停止され、一方、NMT900 は1986~2000 年まで運用された。
二つの周波数帯、900 MHz と1800 MHz を使うデジタル式システム(GSM、汎ヨーロッパ・デジタル移動通信システム)は、1991 年に運用が始まり、現在、市場で優位を占めている。

1900/2000 MHz のRF 電磁界を使う第三世代携帯電話、3G またはUMTS(万国移動通信システム)は、数年前から世界的に導入され、スウェーデンは2003 年から利用されてきた。

目下、800/2600MHz で運用する第四世代、4G と、電話中継無線通信(TETRA、380~400MHz)がスウェーデンと他のヨーロッパ諸国で導入されているところだ。
デスクトップ・コードレス電話(例えば強化型デジタル式コードレス電話、
DECT)は、スウェーデンでは1988 年から利用されていた。最初はアナログ式800~900MHz を使っていたが、1990 年代初めからデジタル式1900MHz システムが利用されるようになった。
現在、スウェーデンでは携帯電話が固定電話よりも利用されている。
http://www.pts.se/upload/Rapporter/Tele/2011/sv-telemarknad-halvar-2011-pts-er-2011-21.pdf )。
それらの放射線電磁界への被曝と使用の実際の増加は、1990 年代末からあった。

無線電話は無線周波数(RF)電磁界を発生させ、片手で持てるタイプの電話を使っている間、脳を主な標的器官にする(Cardis 等、2008)。
著者らの一人(レナート・ハーデル)は、送電線からの超低周波(ELF)電磁界への被曝による発がんリスクを評価したスウェーデン委員会で、彼の積極的参加によって始められた、この研究分野に関心を持った。

その結論は、送電線からの距離に従って小児白血病のリスクが増える、というものだった(Hardell等,1995)。

2002 年にIARC は、送電線などからのELF 電界と磁界はヒトに対する発がん性の可能性があるグループ2B 発がん性物質だ、と結論を出した
(IARC,2002)。