・出典:BEMSJの「電磁波(電磁界)の健康影響」講座
http://homepage3.nifty.com/~bemsj/index.htm
・直流電流による磁界発生
交流はいやであるとして、家庭内で直流配線を行なった場合の磁界発生を考えます。
直流白熱電球による直流磁界の発生:
直流のバッテリーを準備し、マイナス側は大地に接地し、プラス側を電線でひいて、色々な機器に直流電力を供給するものと仮定します。
1本の導体に直流電流が流れている時、その導体の長さが十分に長いとすれば
導体からaメートル離れた地点における磁界は 参考書によれば
磁界H = 流れる電流/2πa (A/m)
磁束密度B = 4π x 10ー7 x H(テスラ) となります。
例題として 40ワット12ボルトの直流白熱電球1個に流れる電流は
40W/12V = 3.32 A となる。
この電流によって発生する磁界は、導体から10 cmの距離では
H = 3.32/(2π x 0.1)= 5.28 A/m
B = 6.34 x 10-6 テスラ= 6.34マイクロテスラ = 63.4 ミリガウス
1個の40ワットの直流白熱電球の為に電線1本からこれだけの磁界が発生する。
もし10個の、合計400ワットの白熱電球を使用していれば(普通の家庭ならば400ワット程度の照明器具を使用している?)634ミリガウスとなる。
634ミリガウスは自然界に存在する地磁気の強さに匹敵する。
直流電流の変動による発生磁界?
白熱電球の場合は、スイッチを投入した時に大きな過大電流が流れ、フィラメントの赤熱にともなって徐々にある一定の電流に安定する。
したがって直流白熱電球といえども電流の大きさは変動している。
変動するということは低周波の磁界成分をなんらかの形で発生することになる。
例えば1Hzというような低周波の磁界が発生する。
直流電流によって直流磁界しか発生させないためには、流れる電流が一定(不変)でなけれればならない。
いかなる変動や変化があってはならない。
電池で動く剃刀であっても 電流の変動はある。
電池で動くモーターでも電流の変動はある。交流のように正負に極性が切り替わらないだけであって、直流(電池)で動くものであってもそこに流れる電流は一定(不変)であるとは限らない。
したがって低周波の磁界が少なからず漏洩する。
上記例の634ミリガウスの直流磁界でも、もし1秒間隔で断続を繰り返せば、単純計算で約200ミリガウスの交流磁界は電線の周囲に発生することになる。
従って、直流のバッテリーから供給する直流電力であっても、交流の磁界は発生する恐れがある。
runより:今回は白熱電球の話と思ってもらえるといいと思います。
白熱電球は電磁波が少ないですが磁界は発生するよという話です。
回路である限り磁界は発生すると考えた方がいいと思います。