神奈川県立保土ヶ谷高校シックスクール事故の顛末記Ⅰ-3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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10月18日 管理職Aは、シンナー臭の苦情が、何度も出されていたにもかかわらず、VOC検査などの安全確認を怠り、工事引き渡しを完了した。

このような無責任な態度は、社会的にも許されないはずである。


11月8日 私を含む芸術科教員3人で、緊急対応を管理職Aに直接要請した。Aは「シンナー臭の苦情等を全く知らなかった」と発言。

別の管理職Cは報告したと発言。


11月10日 保全協会はVOC検査実施予定日に、換気扇を音楽室2基、書道室1基設置。

教育施設課は、窓への換気扇ではなく、天井からのダクト工事を指示していた。

検査実施前だったが、天井から有機溶剤が発生していることを認識していたと思われる。退避指示はなかった。


11月17日 保全協会はTVOC(総揮発性有機化合物)検査実施。新コスモス社製XP-339V
 音楽室中心部測定値 113=トルエン換算 約0.95ppm 約3,500μg/m3
 音楽室天井内部測定値 176=トルエン換算 約1.8ppm 約6,500μg/m3
 "防水工事材料中のトルエン・キシレンが原因と考えられる"としながらも、教室からの退避を指示しなかった。

工事業者は、このTVOC検査結果を見ても、窓から浸入していると主張していた。

天井内部の濃度の方が高い数値であるので、コンクリートスラブからの汚染であることは明瞭であり、危険性の大きさは計り知れないものであった。(注:国の室内濃度指針値のTVOC暫定目標値は、400μg/m3)


12月1日 学校薬剤師が検知管による検査を実施。
 音楽室:トルエン 1,200μg/ m3
 音楽室天井内部:トルエン1,500μg/ m3
(注:国の室内濃度指針値 トルエン:260μg/ m3)  この検査結果について学校薬剤師は、正規の検査法である検査前の30分の換気を行わなかったことを理由に、「検査結果はあくまで参考値である」として、保土ヶ谷高校に対して教室からの退避の指示をしなかった。

しかし、前日の午後に授業が行われていたので、換気の要件は満たされていた。

管理職Bに、高濃度の検査記録を教職員全員へ報告するように要望したが、「数値が一人歩きするので、職員には報告できない」と回答。

キシレンの危険性と健康への影響の可能性を伝えなかった。


12月6日 教育施設課工事担当者D、工事開始から初めて来校。工事現場確認。

「工事関係資料はない。業者は記録をとるのが下手。写真はない」と発言。


12月9日 神奈川県学校薬剤師会がVOC検査。

12月16日に検査結果報告される。

12月1日の検査に比べ、異常に低い数値だった。

キシレン230μg/ m3 トルエン<26μg/ m3 (12月27日 教育施設課、検査に不備があったことを認める。)
 私が専門家に相談したところ、30分換気、その後5時間窓を閉めてから、8時間から24時間、検体を教室につるすという事を確認できた。

薬剤師会の検査は、5時間の窓閉めの時間をとっていなかった。

また、文部科学省の検査基準では検体はホルムアルデヒド用とVOC用の2検体を使うこととされているが、トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼンの検査結果しか報告されておらず、検体にも疑問がある。


12月21日 教育施設課が、12月26日からベークアウト工事を実施すると全職員に説明。謝罪もしていない施工業者がベークアウトを行うというのだ。ピアノ等の移動計画は無し。

教材移動計画もなく、事前のVOC検査も行わずに強行しようとし、職員から反対された。

この工事は、12月25日に中止となった(教育局幹部の指示によりとの情報あり)。