なぜ斑点米規定の見直しか5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・生産者が農産物検査の見直しを要望
 上述のような農産物検査規定がカメムシ防除のための農薬大量散布につながっているとして、検査制度の見直しを求める声が、生産者の間から強く出されています。
 秋田県大潟村の「大潟村環境創造21」など5グループは、2004年2月に「不必要な農薬使用を助長する農産物検査制度の見直しを求める陳情書(案)」、3月には、農水省や内閣府に出す「同意見書(案)」をつくり、地方議会にはたらきかける運動をはじめました。

 文案には『現在の農産物検査法は外観を重視した検査を行っており、食品に求められている安全性や栄養価など、内容の検査はほとんど行われていません。むしろそのことが農薬の多投入を促す結果になっています。』として、『農産物検査法、農産物規格規定の玄米に係る検査項目を見直し、外観によってではなく内容と安全性を重視したものにすること。 』という要望事項が掲げられました。秋田県の34市町村議会がこの意見書を採択、平成17年3月に秋田県議会、平成16年12月に岩手県議会が意見書を採択し、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、農林水産大臣、食品安全担当大臣に出しています。


★秋田県・大潟村環境創造21 の意見書案
不必要な農薬使用を助長する農産物検査制度の見直しを求める意見書(案)
 食の安全、安心が求められている近時、農産物の品質を保証する米穀検査の役割も大きなものになっております。

しかしながら現在の農産物検査法の規格規定は、次のような理由によって実情に即した見直しが必要と思われますので、検査規格検討会での検討をお願いいたします。


理由
(1) 農産物規格規定が農薬の使用を助長している
 現在の農産物検査法は外観を重視した検査を行っており、食品に求められている安全性や栄養価など、内容の検査はほとんど行われていません。むしろそのこ とが農薬の多投入を促す結果になっています。
 例えば、農産物規格規定によればカメムシ等の食害による「着色粒」の混入量を一等米で0.1%を上限と定めています。

平成15年度には、秋田県内で二等 米以下に格付けされた中の46.7%はこの着色粒が原因になっており、農協などの指導機関では検査で等級が落ちるのを防ぐために、地域一斉に1?2回の殺虫剤を散布するように指導しており、同様にいなこうじ病予防の殺菌剤散布も指導、実際に農家はこれらの散布を行っています。
 そのことを全国に視野を広げれば国民の健康と自然環境に影響を与える懸念があり、また被害粒は検査後に選別機で容易に除去できていることと併せて考慮すれば、消費者にとっても必要な規格規定であるとは考えにくいものです。
(2) 検査結果が表示や消費者価格に反映されていない
 農産物検査法による品位検査は「玄米」が対象であって、白米には適用されません。

このことは玄米を精米にすると検査結果は「消滅」してしまい、白米には 国が検査したことを表示する義務がないということを意味しています。

これでは検査を行う意味があるのかはなはだ疑問というだけでなく、検査表示のない白米 は消費者が選択する際の判断情報としても役立ちません。
 またこの検査は、人の四感(視覚,臭覚,触覚,聴覚)に頼った制度であり、検査員の技能に左右されやすいという問題も抱えています。
(3) 農産物の公正な取引がされていない
 農産物検査の目的の一つは品質に見合った適正な価格形成を図ることとされています。

米検査の結果が検査後に消滅し、小売りの表示や価格に反映されないの であれば、生産者が売り渡す際に生じる等級価格差(1,2等の差は60kg当たり約600円。

秋田県全体では30億円/秋田農試の試算)はどうなるので しょうか。
 着色粒などの理由で格付けされた農産物価格の差額(1等米と2等米の)は色彩選別機を使用する精米段階で吸収されているのが実情です。
 このように生産者にのみ不利益になり、それが消費者の利益にもつながらず、一部の人にのみ利益になる現在の農産物規格規定は、公平な制度とはいえず必要 性を合理的に説明する理由がありません。
(4) 既に選別機が広く導入されていること
 国内で流通している精米のほとんどは選別機を通されているから、精米業者に新たなコスト負担を求めることにはならない。

また少数の選別機を持たない精米業者については、それを保護することを理由に生産者に農薬を散布させることは合理的とはいえない。
 以上により農産物検査法を適正なものに改められるよう、強く要望します。