活動における予防原則 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出展:環境汚染問題 私たちと子どもたちの未来のために
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/

活動における予防原則
 
ハンドブック
 
第一版
 
科学と環境保健ネットワークのために
THE PRECAUTIONARY PRINCIPLE IN ACTION
A HANDBOOK
First Edition
  Written for the Science and Environmental Health Network
  Joel Tickner - Lowell Center for Sustainable Production
Carolyn Raffensperger - Science and Environmental Health Network
and Nancy Myers 著
 
 
目次
 
I.  はじめに
II.  予防原則の歴史
III. 予防の要素
IV.  予防の方法
V.  予防行動の例
VI.  予防の発動:過程の流れ
VII.  ダイオキシン
VIII.  不確実性の理解
IX.  リスクアセスメント又は予防原則
X.  批判への答え
XI.  文献
XII.  付録 ウイングスプレッド宣言、法律と条約中のことば
XIII.  連絡先


・Ⅰ.はじめに
 
ある活動が、環境や人間の健康に脅威を生じるならば、科学的に一部の因果関係が十分に確立していなくとも、予防的方策をとるべきである。

1998年1月、予防原則に関するウイングスプレット宣言より
 
長年、環境と一般人の健康に関する運動は、因果関係が科学的に不確実であることに直面し、健康や環境を守る方法を見つけるために、苦労して進んできた。

通常、一般人には、特定の活動や物質が危険であることを証明する義務があり、これに対して、潜在的に危険な活動をする者やそれらの活動から産まれる物は、有罪と証明されるまで無罪と考えられてきた。

化学物質や危険な活動・会社は、市民や環境より権利があるように思われることが多かった。
 
健康や環境を守るための運動で、科学的証明の義務は巨大な障壁となっている。

危害の重大な証拠を証明できた後にのみ、害を防ぐ行動を起こすのが普通である。その時点では遅すぎるだろう。

普通、産業や政府当局は、有機農業や無毒な製品を推進したり、危険な化学物質全体を廃止するというよりは、一時に一つ、単一の農薬や化学物質に関して何らかの処置を講じることによって、危険に対して策が講じられる。

市民グループによる特定活動の中止要求が、経験や観察・厳密な科学的証拠でないものに基づく時、感情的であるとかヒステリックであると非難される。
 
この障壁に打ち勝つために、提唱者は倫理的な力と科学的厳密性をもった、意志決定と行動手段が必要である。

世界中の環境に関する合意と環境活動の重要な側面となってきた予防原則は、一般人と意志決定者に、環境と一般人の健康問題に対する強力で常識的な方法を提供する。

このハンドブックは、不確実さに直面した時、予防的な意志決定をする場合や一般人の健康と環境を守る行動をする場合に、どのようにして使うことができるかを述べる。
 
この概念の包括的提示は新しいが、予防は長年市民活動家が発展させてきた概念である。

私たち、著者は、あなたが、これらの概念を使い、予防原則の次章を私たちとともに書くことに招待する。
 
私たちは世界史の刺激的な接点にいる。

一方で、私たちは人間の健康と生活を支える環境に対する前代未聞の脅威に直面している。

他方で、私たちにはことを行う方法を根本的に変える機会がある。

私たちは、「いつものような仕事」を受け入れる必要はない。

予防は、環境劣化を避けるために使うことができる指針となる原理である。