マツクイムシ虫防除空中散布問題:スミチオン13 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4・乳児、子供、妊婦、病人に対する影響
小さい子供ほど大きな影響をうけます。赤ん坊や小さい子供ほどからだの割合にしては、沢山の空気を吸い込みます。

その結果スミチオンを太量に吸い込みます。

WHO の摂取基準では体重lkg当たり0.005 mgとなっていますのでどの位スミチオンが空気中にあれば基準を越すか計算すると、1立方メートルあたり、乳児では12~13マイクログラムとなり、松林付近ではこの1000倍ほどの濃度の農薬が空気中に漂っています(1.1を見よ)。
有機燐系農薬に対する抵抗性は小さいもの程弱いことが知られています。ダニ退治のために散布したスミチオンで一家5人が中毒となり、小さな子供ほど症状が重く、かつ早期に現れ、一番小さな子が死亡したことが知られております(田谷他、1976)。

実験的にも若いネズミは成熟したものよりも2~4倍ほど弱い場合があることが報告されています(Brodeur & DuBois, 1963)。

ただしスミチオンに関してはよくわかっていない。
子供らに危険な太気中のスミチオン量(WHO/FAOの経口摂取許容量より算出)
年齢体重lkgl日当たりの危険な濃度
呼吸量(立方m) (マイクロ8/立方m)
新生児0.5184-0.5832 9.6 -8.6
1 0.46512 10.7
2 0.41904 11.9
5-6 0.2448 20.4
11-12 0.1872 26.7
15-16 0.1584 31.6
*呼吸量は馬場(1980)と村上(1966)による。

24時間吸入したとして算出。ただし、小さい子は脳の中にスミチオンが入りやすく、致死量も低いと思われる。

また気道から入った農薬は経口投与の場合より何倍か毒性が強いことを考えるとこの値は1/4~1/8位に抑えねばならない。
抗コリンエステラーぜ系農薬の急性毒性(致死量) ラット殺虫剤生後21日成熟したもの
パラチオン1.5mg/kg 3.6 mg/kg
メチルラチオン3.5 5.8
EPN 8.0 33
トリチオン11 40
マラチオン340 750
[Brodeur & DuBois,1963]
有機燐系農薬はコリンエステラーゼを阻害することが知られており、コリンエステラーゼが波少している妊婦、肝臓病の患者、貧血の人等はとくに有機燐中毒にかかりやすいと言われています。

このような人は有機燐剤との接は極力避ける必要があると言われています。
まだ強毒性の有機燐系農薬が使用されていた頃、山梨県での調査では、農薬が妊娠中毒症の原因となり、農家の妊婦の半数が妊娠中毒症にかかっていたと言われています(中沢他、1972)。
千葉県では、肝臓に障害のある人がスミチオン(スミバッサ)の空中散布後に水田に入り死亡事故を起こしことが知られています。

また実験的に肝臓に障害を与えたウサギにスミチオンを投与すると、健康
なウサギより血清や血球のコリンエステラーゼが顕著に抑制されることが報告されています(高橋他、1980)。

この事実は肝障害のある場合スミチオンの毒作用は強く現れることをしめしています。