・5)栄養状態との関係
スミチオンの影響は食物内容によっても異なってくる。高蛋白質食餌を与えたラットはスミチオンに作用されにくく成長が早いが、低蛋白高脂肪のものはスミチオンの影響を大きく受ける(鈴木他、1984)。
6 スミチオンと他の農薬との相乗毒性
スミチオンだけでは生体に目立った影響を与えない場合でも他の農
薬が付け加えられると毒性が2~5倍増す。
マウスにBPMC(バッサ)とスミチオンを同時に与えるとBPMCの毒性は約2倍になり、スミチオンを前もって与えておくと5倍にもその毒性が増強する。
イヌの場合にも、スミチオン(100 mg/kg)とBPMC(50 mg/kg)を同時に投与する、BPMC(50 mg/kg)のみの場合よりも毒性は2倍に増えた。
更に毎日極少量のスミチオン(5 mg/kg;最少致死量の1/280)のスミチオンを1 週間与えた後、一日スミチオンを与えないでおいてから、BPMCを最少致死量の半分(100 mg/kg)与えると、中毒の発作の期間が2.5 倍に延びたほか、死んだイヌもでた(Kobayasi et al., 1983)。
またこの他、ナック(NAC)等カーバメート系殺虫剤の毒性も増強することが報告されている。
有機燐農薬と他の環境汚染物質の相乗効果の結果難病・ベーチェト病が起きるべーチェット病は口、皮膚、外陰部、目、内臓に炎症をおこし、失明や死亡などを引き起こす難病です。
この病気の原因ははっきりしておらず、遺伝的素因と環境要因の両方の働きによって発症すると考えられています。
環境中の原因としては綾葵汚染が考えられています。
自見(1980)は日本で多発しているべーチェット病が、ハワイに住む日系人は全く発症せず、また沖縄県でもこの病気にかかった人が日本本土の1/6と低いことより環境要因が重要な働きをしていると考えた。
さらに疫学的調査を行ったところ、ベーチェット病の発症には農村での生活経験と農薬への曝露が何らかの関係を持っていることがわかった。
豚にスミチオン、有機塩素系農薬、重金属などを混合して投与した場合、ベーチェット病と同じ症状が現れたという研究があります(石川他、1978 。)
また農薬会社の従業員などのべーチェット病患者に治療のため有機燐剤の解毒薬である硝酸アトロビンとPAMを投与したら、治癒したことがしられています(石川他、1981)。
べーチェット病では、自律神経の機能異常が認められており(石川他、1981; 1982)、自律神経異常を起こすものとして有機隣系簾藁が疑われている。
べーチェット病の発症は3~5年遅れて起こると考えられているが、有機塩素系や有機燐系、カーバメィト系農薬などの使用量とのあいだに関連が認められている(石川、1983)。
runより:この発表は1985年です、しかしスミチオンはまだ現役です。
フェニトロチオンとも呼ばれ先日2010年の論文を掲載しました。
これが民間レベルの恐ろしさです、儲かるなら作ります。