マツクイムシ虫防除空中散布問題:スミチオン7 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・4)LD50について
ネズミの致死量は人間に当てはまらない。

スミチオンは本当に劇物ではないか?
薬品の急性毒性の強さはLD50を用いて表されます。

これは実験動物の半数を殺す薬品の量を体重l kg に換算して表したものです。

スミチオンが安全である根拠としてLD50が浜松市をはじめスミバイン普及
会(1983)などによって引用され、スミチオンは毒物や劇物などではなく、普通物であると主張されています。
毒物や劇物等の基準はほぼつぎのLD50の表に基づき、これに吸入毒性、慢性毒性、蓄積等の要因を考慮して決定されます。
投与方法特定毒物毒物劇物
静脈注射10 mg以下100 mg以下
皮下注射10 mg以下20 mg以下200 mg以下
経口投与13 mg以下30 mg以下300 mg以下
(表中の値はLD50)
スミチオンの致死量は動物・系統・雌雄によって大きな差がありますLD50を決めるにはマウス、ラット等が用いられており、スミチオンは比較的安全な薬品ということになっています。

しかし、このような実験動物のLD50が人間にあてはまるかどうかということになるとかなりの疑問があります。

LD50は人間では測定できません。

LD50が動物によって大きな差があること、またマウス等の同じ種類の動物の中でも系統によって大きな差があること、同じ系統でも性による差が認められ、さらには年齢によっても差があります。

次の表はスミパイン普及会(1983)のデータです。
投与方法動物LD50
経口毒性マウス雄1117(和歌山県立医太)
雌1161(和歌山県立医大)
ラット800(住友化学)
犬雄、雌7300(住友化学) 2500以上(住友化学)
ラット雄890(住友化学)
雌1200 (1主友化学)
皮下毒性マウス雄2832(和歌山県立医太) 1350(住友化学)
雌3542(和歌山県立医太) 1530(住友化学)
フット雄840(住友化学)
雌1300(住友イヒ学)
腹腔内毒性マウス雄598(和歌山県立医大) 464(住友化学)
530(住友化学)
雌584(和歌山県立医大)
Kanoh et al. (1982)は若いラット(ウィスター系)で経口投与の
場合、スミチオンのLD50が雄で250 mg/kg、雌で310 mg/kg、腹腔
内毒性が500 mg/kgという値を報告しています。

この値はスミチオンが普通物というよりは劇物であることを示しています。

またLD50以下でも死ぬ動物がいることはつぎの表からもわかります。

成熟したラット(CFY 系:雄)でもLD50が482mgという値も報告されています。
[Kanoh et al., 1982]
投与法性薬量(mg/kg) 死亡数/全動物数LD50(mg/kg)
経口雄100 0/6 250
200 2/6
300 4 /6
400 5/6
500 6 /6
雌200 1/6 310
300 3/6
400 4 /6
500 5 /6
600 6 /6
腹腔内雄400 0 /4 500
500 2/4
600 4 /4
雌400 0 /4 500
500 2 /4
600 4 /4
人間に近いサルではスミチオンの毒性が強い

以上のことは、小動物であるが、浅沼池 (1978)はサルに体重l kgにつき1 日に50 mgのスミテオンを4回 (計20 mg )、100 mgを3 回(計300 mg)、または200 mgを2回投与したところ3 群6 頭全部が死亡したことを報告し、「サルに対するスミチオンの影響はラットのそれよりも数倍強いものであり、少なくともサルについては劇物の毒性を有したものであろう」と述べている。

このことは小動物より人に近いサルのほうがスミチオンに弱いことを示している。