・*低周波電磁界で、磁界に注目は集まるが、電界も決して無視してはならない。
記:2009-10-26
スウェーデンのMPR2などは、低周波磁界のほかに、低周波電界も規制しています。
「どうして低周波電界も規制しなければならないのか、低周波電界はほとんど問題がない とされているにも係わらず」という疑問が出てきます。
電界の生体影響に関しては、特に低周波電界に関していえば、古い、例:1975年より古い時代に研究された論文があります。
昨今の20年間は、低周波電界よりは低周波磁界の影響に着目していますが。かつては、電磁波といえば電界の影響を考えていました。
具体的には、1970年頃に 旧ソ連の研究で 「高圧送電線や変電所で働く人に、いろいろな愁訴が見られ、5kV/m以上の電界は問題がある」と提議されています。
日本で1000kVの送電線の建設が始まるときに、この電界影響を気にして、電気学会、電力会社、日本の医師会で研究を行い、送電線の下で、雨の傘を持って通り、傘の金属に電界が誘起して人知が感電することの危険性から、 3kV/mの電界規制値を提案しています。
これが現在では 電気設備基準に採用され、法的に効力をもっています。
また接地していない高いクレーン車に ラジオの中波放送の電波が誘起して、クレーンの作業者に感電の事故があったとききます。
従って、クレーンのような特例を除けば、kV/mを超えるような低周波電界は、感電やその他の影響が考えられます。
しかし、MPR2などで、VDTなどに関して放射電界を20V/mとか10V/mに規制することは、BEMSJは 個人的には 疑問視しています。
但し 野放しにすることによって、生活環境における電界曝露が500V/mを超えたり、lkV/mを超えるたりすることは 避けなければなりません。
*電磁波の健康影響に関する本の案内 >>詳しくは こちらへ <<
http://homepage3.nifty.com/~bemsj/EMFbook.htm
BEMSJの2冊目の本「電磁波の健康影響 工学的・科学的アプローチの必要性」は東京電機大学出版局から、2004年6月20日に刊行になりました。
この本は、永野秀雄著「電磁波訴訟の判例と理論 米国の現状と日本の展望」(2008年2月、三和書房より刊行)の中で、その6ページに「わが国において電磁波に起因する健康影響について論じた文献はかなりの数にのぼる・・・・・(略)・・・・電磁波の健康への影響に関して、科学者の立場から、基本的な問題を総覧した最近の良書として、三浦正悦「電磁界の健康影響 - 工学的・科学的アプローチの必要性」(東京電機大学出版局 2004年)がある。」と紹介されました。
非常に嬉しいことです。
*別館の案内
私のWEBの別館として、「電気と切手の世界」をオープンしました。
電磁波と電気は密接な関係にありますが、 電気と切手は? はい、それでは >> 詳しくはこちらへ <<
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