・*ちょっと一言 労働災害の認定例から
追記 2005-6-28
労働科学研究所が発行している「労働科学」81巻2号(2005年)に職業がんに関する解説が有りました。
その中には、以下に示す2000年までに厚生労働省で労働災害と認定した件数が紹介されています。
わが国の職業がん認定件数
がんの種類
件数
ベンジジンによる尿系腫瘍
356
ベーターナフチルアミンによる尿系腫瘍
73
ベンジジンとベーターナフチルアミンによる尿系腫瘍
97
ビス(クロロメチル)エーテルによる肺がん
18
ベンゾトリクロライドによる肺がん
8
石綿による肺がん
197
石綿による中皮腫
162
ベンゼンによる白血病
9
塩化ビニールによる肺血管肉腫
11
電離放射線による白血病
11
電離放射線による肺がん
1
電離放射線による皮膚がん
10
コークスまたは発生炉ガスの製造工程による肺がん
162
クロム酸塩または重クロム酸塩の製造工程による肺がん
130
クロム酸塩または重クロム酸塩の製造工程による上気道のがん
24
ヒ素含有鉱石の製錬・精錬工程または無機ヒ素製造工程による肺がん*
74
ヒ素含有鉱石の製錬・精錬工程または無機ヒ素製造工程による肺がん*
3
すす、鉱物油、夕一ル、ピッチ、アスファルトまたはパラフィンによる皮虜がん
3
その他のがん
463
合計
1808
*同じガンが2項に分かれている?なぜ?
これを見ると、電離放射線によるガンで労災認定されたことは理解できます。
このWEBで主に論議をしている非電離放射線(低周波磁界、マイクロ波などの電波)による発がん認定が1件もないことにも注目すべきです。
電磁波(非電離放射線)でガンになったとして労災認定をした女性がいましたが、厚生労働省の審査では認められなかったようです(その後、この認定を不服として裁判?に訴えているという話を聞きます)。
このケースは、従って上記のリストには含まれていない。