・*WHOも指摘している電磁波の定義の混同
世界保健機構WHOの国際電磁界プロジェクトの公開文書は、WEBで公開されています。 その多くは日本語でも公開されています。
>資料「電磁界と公衆衛生」
>資料番号181
>1998 年5 月改訂
>国際EMF プロジェクト
はこのプロジェクトの概要を説明している文書です。
興味のある方はWEBを見てください。
URLは http://www.who.ch/emf/ (最近WHOはサーバーの再構築などを行なっているようで、このURLでは現在読めません) です。
その中で、興味深いのは
>さらには、ラジオ波やマイクロ波などの非電離放射線の生物学的影響と
>ガンマー線やエックス線などの電離放射線の生物学的影響とを混同していることもあります。
という一文です。
これと全く相反することを、日本のどこかの文献で読んだ記憶があります。
「エックス線や放射能はどんなに低レベルでも危険であるので、低周波電磁界や携帯電話の電波は、同じく危険である」という論法です。
この論法は、正しくないことが判ります。
*電磁波から逃れられるか?
むかし、通勤の途中で、講談社のブルーバックスを読みました。
方励之・他著 佐藤文隆・他訳「宇宙のはじまり、 最初に何が起こったか?」という本です。
非常に難解な文庫本で、よくわかりませんでした。
しかし、次のことだけはわかりました。
”宇宙の起源といわれるビッグバン、このビッグバンを論証した証拠のひとつがノーベル賞の対象となった宇宙空間に存在するマイクロ波の電磁波の研究成果である。
4,080メガヘルツのマイクロ波電磁波が宇宙に存在し、それは宇宙空間に存在しているのであって、いかなる特定の星から放射されているのではない。
ビッグバンが起こってから、今までの年代を考えると、この電磁波の存在は理論的に正しい。
その電磁波の強度は3度K。”と。
こうなれば、以下のように考えることができるようになります。
いかなる電磁波も、電磁波といえる電磁波はすべてにわたって、
いかなる強度の電磁波も、それが非常に微弱なものであっても、
人体や生物に悪影響を及ぼしているので、なんとかして避けよう、
電磁波のないところに逃げて、そこで生活をしようと考えた時、
南海の小島に逃避して、電気のない生活をし、人工的な電磁波から逃れたとしよう。
しかし、宇宙からはこのマイクロ波が飛んできている。
人工的なマイクロ波をすべてやめたとしても、この宇宙からの到来電磁波からは逃れることができない。
無限の巨額を注ぎ込んで、私一人は地球から脱出して、月で兎と暮らす。かりに月に移住できたとしても、この宇宙空間に存在する電磁波からは逃れられない。
さて、さて、それでは 皆さんはどうされますか?
生物の進化の原因のひとつとして、突然変異説があります。
遺伝子が変異して(突然変異)が偶然に起こり、その結果が世の中でうまく生きていける方向であれば、その変異は生き延びることができて、新しい進化した生物となる。
突然変異の結果、うまく生きていけない方向であれば、それはすぐにすたれてしまい、突然変異を起こした遺伝子は、死に絶えたと。
こうした突然変異を起こすもののひとつに、自然界に存在する放射線(電離放射線といわれるX線やガンマー線、波長の短い紫外線など)があります。
これらの電離放射線も「電磁波」の仲間です。
これらの自然界に存在する電離放射線が生物の進化の源であり、遺伝子などを変性させてきたということはできます。
しかし、電磁波の仲間でも、携帯電話の電波や60Hzなどの送電線由来の磁界は、非電離放射線であり、遺伝子を直接傷つけたりする能力はありません。
(但し、電磁波を大量に受けて大きな熱が発生すれば、熱の作用で生体に影響が出ます。また電磁波を受けて、大きな誘導電流が生体に流れれば、感電などの作用が発生します。これらに関しては現在も研究が行われています。)
WHOが指摘している「電磁波の定義の混同」はまさに、このことを指摘しています。
runより:この解説は電磁波の種類の多さを物語っています。