柳沢幸雄:化学物質過敏症2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・シックハウス症候群と化学物質過敏症
新築や改築の住宅などで、使用された建材や内装材、あるいは接着剤などから揮発性の化学物質が放散し、室内空気が汚染され、その濃度が居住者に頭痛、吐き気、目・のど・鼻の痛みなど、様々な体調不良を及ぼすほどの高濃度になることがある。
このような室内空気中の汚染物質によって起こると考えられるいろいろな症状をシックハウス症候群と呼ぶのであるが、シックハウス症候群について、厚生労働省の「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 中間報告書その4-第8回及び第9回のまとめ」(2002年1月22日)は次のように説明している。
「住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用等により、新築/改築後の住宅やビルにおいて化学物質による室内汚染空気等により、居住者の様々な体調不良が生じている状態が、数多く報告されている。症状が多様で症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられることから、シックハウス症候群と呼ばれる」

簡単に言うと、室内空気が生体に害を及ぼす化学物質で汚染された住宅がシックハウスであり、その汚染された空気によって起こる様々な身体症状がシックハウス症候群である。

なお、後で出てくるシックスクールは、教室や体育館など校舎内の空気が汚染されている場合である。

アメリカやヨーロッパでは、これらをまとめてシックビルディングと呼んでいる。

手記の最初に出ている頭痛、吐き気、めまいなどの症状はシックハウスの典型的な症状である慢性的な疲労を訴える患者も多い。
このようなシックハウスによる症状は、初期の段階では汚染された室内空間から清浄な空間に出れば回復する。

この手記の中学生も祖父の家に避難して、体調は大分良くなったと言っている。

しかし、シックハウスに住み続け、化学物質の影響を受け続けると、やがて症状が回復しないばかりか、塗料やワックスのにおい、あるいは整髪料や香水のにおいなどいろいろな化学物質に反応するようになり、健常者なら耐えられる微量の化学物質にも身体症状があらわれるようになる。

これが化学物質過敏症である。

化学物質過敏症については、我が国ではまだその存在についてさえ専門家の合意がなされておらず、シックハウス症候群に対するような公式の説明あるいは定義がない。

化学物質過敏症を1950年代に初めて一つの疾病として認識したのは、アメリカ人医師セロン・ランドルフである。

彼は、化学物質過敏症を「過去にかなり大量の化学物質に接触した後、または微量な化学物質に長期間にわたって接触した後で、次の機会に非常に微量な同種または同系統の化学物質に再度接触した際に出てくる不愉快な症状」と定義している。
しかし、患者が不愉快になるのは、同種または同系統の化学物質だけではない。

過敏症患者が反応を起こす物質は多岐にわたる。