WHO ファクトシート299静的な電界および磁界2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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健康影響
静磁界の急性の影響は、人の動き、または血流や心拍のような身体内部の動きなどの運動が静磁界中で行われている時にのみ、起きる可能性が高まります。

2 テスラ以上の静磁界中で動く人は、目眩や吐き気、時には口内の金属味などの感覚、および閃光の感知を体験することがあります。

一時的に生じるだけではあるものの、そのような影響は細心の注意を要する作業を遂行中の作業者(例えば、MRI 装置内部で手術中の外科医)にとって、安全上の影響があるかもしれません。

静磁界は、血液中を移動する(イオンのような)電荷に力を及ぼすことで、心臓および主要血管の周囲に電界および電流を発生させ、僅かながら血液の流れを妨げます。

それによって生じる可能性のある影響は、心拍数の僅かな変化から、(心室細動のような)致命的なものもある心臓リズムの異常(不整脈)のリスク上昇まで広範囲に及びます。但し、このような急性の影響は8 テスラ以上の静磁界中でのみ起きる可能性があるものです。
これまでのところ、質の良い疫学研究または長期的な動物実験研究がないため、ミリテスラ範囲の静磁界へのばく露でも何らかの長期的な健康影響があるか否かを判断することはできません。

したがって、現時点では、静磁界のヒトに対する発がん性は分類できません(IARC、2002)。


国際基準
静磁界へのばく露の問題は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が取り扱ってきました(www.icnirp.org 参照)。

職業ばく露に対する現行の制限値は、静磁界中での運動により誘発される目眩および吐き気の感覚の回避が根拠になっています。

推奨されている制限値は、職業ばく露の場合、1 作業日における時間加重平均値で200 ミリテスラ(ただし天井値を2 テスラとする)です。

公衆のばく露の場合、連続的なばく露の制限値は40 ミリテスラです。
静磁界は、体内ペースメーカのような植え込み型金属製装置に影響を及ぼしますが、これは健康への直接的な悪影響となる可能性があります。

心臓ペースメーカ、強磁性インプラント、植え込み型電子装置の装着者は静磁界が0.5 ミリテスラを上回る場所を避けるのがよいと言われています。また、3 ミリテスラを上回る静磁界中では、磁石の引力で突然動き出した物体によって傷害を受けることがないよう注意しましょう。