平成23 年度 環境省請負業務結果報告書31 | 化学物質過敏症 runのブログ

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時間平均
ICNIRPは、過渡成分、または非常に短時間のピークを持つものを含め、電界または磁界により誘導される身体内電界に対する制限値は、時間平均されない瞬時値とみなすことを推奨する(非正弦波的ばく露に関する章も参照のこと)。


誘導電界の空間平均
誘導電界の有害な影響を神経細胞および神経ネットワークに限定して考える場合、局所的な誘導電界を平均すべき距離や体積を明確にすることが重要である。
正当な生物学的基礎と計算手法上の制約に関する要求を満足するための実際的な折衷案として、ICNIRP は、切れ目なく連続する小さな2×2×2 mm3 の体積組織における電界のベクトル平均として誘導電界を決定することを推奨する。

ある特定の身体組織での電界の99 パーセンタイル値は基本制限との比較に適切な値である。

表2.時間変化する電界および磁界への人体のばく露に対する基本制限


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- f は周波数(Hz)。
- 全ての値は実効値。
- 100 kHz より高い周波数範囲では、RF に特有な参考レベル
を追加的に考慮する必要がある。


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図1. CNSおよびPNSへの影響に係わる体内電界強度に基づく公衆ばく露と職業的ばく露に対する基本制限(訳者注:原文の凡例では、単にCNS、PNSと表記されている箇所を、表2に対応させて、それぞれ、頭部のCNS組織、頭部と体部の全組織と訳した。)

基本的には、ニューロンおよびその他の電気興奮性細胞への電界影響は局所的影響であるが、その体積や距離の最小値は電気生理学的要因および実用的ドシメトリの要因の制約によって決まる。

ニューロンおよび神経ネットワークの機能を妨害する主な物理的要因は細胞膜に誘導された電界が生み出す電位差である。

単離した神経線維を電界方向に沿って置いた場合(最大の結合)、この電位差は膜の誘導電界を電気緊張の距離で積分したものである。

無脊椎動物では、この距離は 2 から 7 mmの範囲にばらつく(Reilly 1998;ReillyとDiamant 2003)。

有髄神経細胞では、ランヴィエの絞輪間の最大距離である約 2 mmをこの積分距離と仮定できる。

これらの距離は単離した神経細胞の刺激閾値を考えるときに用いられる。網膜閃光のように刺激閾値より低い電界での影響の場合には、多数の相互作用し合う神経細胞群の集合的な「ネットワーク」効果を考慮に入れなければならない。

この影響の閾値はシナプスに誘導された小さな電位差の加算や積分によるものであるため、単離した神経細胞の刺激閾値よりもかなり低い。

誘導電界の平均化体積は、最小でも 1000 個の相互作用し合う神経細胞群に基づくよう示唆されており、その体積はほとんどの神経組織で約 1 mm3 である(Jefferys 1994)。

したがって、生物学的に合理的な平均化距離は、1 から 7 mm までの範囲となる可能性がある。

実用的見地からは、ミリメートルレベルの解像度での誘導電界の計算において満足できる精度を得ることは困難であり、そのような測定はなお困難である。

ある身体組織の1つのボクセル内の最大値は、立方体ボクセルの角部分の階段近似誤差を大きく受けやすい。

より安定したピーク近似値を得るための解決方法は、ある身体組織での誘導電界の 99 パーセンタイル値をピーク値として選択することである。

しかし、ピーク値が解像度に依存することから、これは生物学的観点からはやや恣意的な選択である。空間平均のための別の選択肢は、局所的電界を小さな体積中または線分に沿っての平均値と定義することである(ReillyとDiamant 2003)。

一般的ルールとして、平均化体積は組織の境界を越えて拡張しないとされているが、網膜や皮膚のように、平均化立方体で全体を覆うには薄すぎるものは例外である。

皮膚の場合、同様の2×2×2 mm3 の平均化体積を仮定することができ、その場合は皮下組織に拡張してもよい。

網膜の場合、平均化体積は網膜の前後の組織に拡張してもよい。


runより:残りは明日にします、想像より遥かに長い報告書でした。

疲れた、キュウ・・・(x_x;)