・参考資料6:
ICNIRP
「時間変化する電界および磁界へのばく露制限
に関するガイドライン(1Hz から100kHz まで)」
ICNIRP ガイドライン
ICNIRP 声明
時間変化する電界および磁界へのばく露制限に関するガイドライン
(1 Hzから100 kHzまで)
国際非電離放射線防護委員会
序論
本文書は、電磁界スペクトラム中の低周波領域の電界および磁界にばく露された人体の防護に関するガイドラインを制定するものである。
ICNIRP のガイドライン作成の全般的原則は、別文書として公表されている(ICNIRP 2002)。
本文書の目的においては、低周波領域は1 Hz から100 kHz までの範囲とする。
100 kHz より高い領域では、加熱などの影響を考慮する必要があるが、これについては別のICNIRP ガイドラインでカバーされている。
しかしながら、100 kHzから約10 MHzまでの周波数範囲においては、ばく露条件によって、高周波の影響と低周波の神経系への影響の両者からの防護を考える必要がある。
したがって、本文書の指針の一部は10 MHz まで範囲を広げ、この周波数領域での神経系への影響をカバーしている。静磁界に関するガイドラインは、すでに別文書として刊行されている(ICNIRP 2009)。
人体の動きにより誘導される電界または1 Hz までの時間変化する磁界に適用可能なガイドラインは、これとは別に公表される予定である。本文書は、1998 年版ガイドライン(ICNIRP 1998)中の低周波部分に置き換わるものである。
ICNIRP は、現在、高周波部分(100 kHz 以上)に関するガイドラインの改訂作業を進めている。
目的と範囲
本文書刊行の主目的は、全ての確立された健康への有害な影響を防護するため、電界および磁界(EMF)へのばく露の制限に関するガイドラインを制定することである。
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・ICNIRP事務局:c/o Gunde Ziegelberger, c/o Bundesamt fur
Strahlenschutz, Ingolstaedter Landstrasse 1, 85764
Oberschleissheim,Germany.
通信又は別刷の連絡先:info@icnirp.org
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(Manuscript accepted 15 June 2010)
0017-9078/10/0Copyright c 2010 Health Physics Society
EMF の直接的および間接的影響に関する研究を評価した。
直接的影響とは電界および磁界と身体との直接的相互作用から生じるものであり、間接的影響とは身体とは異なる電位にある導体との相互作用を要件とするものである。
験および疫学研究の結果、ばく露評価の基本的クライテリア(判断基準)、ハザード評価の実際に役立つ参考レベルについて議論した。
ここに提示されたガイドラインは職業的ばく露、公衆ばく露の両者に適用可能である。
本ガイドラインの制限値は、急性影響に関する確立された証拠に基づいた。
この制限値を堅持すれば、低周波EMF へのばく露による健康への有害な影響から作業者および公衆の一人一人が防護されることを、現在利用可能な知識は示している。
慢性的なばく露条件に関する疫学研究および生物学的研究のデータは注意深くレビューされたが、それらが低周波EMF ばく露と因果的に関連するという説得力のある証拠はないと結論された。
本ガイドラインは、定められた試験条件下での特定機器からのEMF 放射を制限することを目的とした製品性能基準には言及しておらず、また電界、磁界および電磁界の特性をす物理量の計測技術は取り扱わない。
そのような物理量を正確に測定するための計測機器および計測技術についての包括的記述は他の文書に見ることができる(IEC 2004, 2005a; IEEE 1994, 2008)。
本ガイドラインが満たされていても、金属製人工器官、心臓ペースメーカおよび植え込み型除細動器、人工内耳などの医用機器との電磁干渉、あるいはそれらの機器への影響が必ずしも排除されるわけではない。