・Q.1:電磁界とは何ですか? 電磁波とは違うのですか?
A.1:「電磁界」とは、電流が流れている電線などのまわりに発生する「電界」と「磁界」が組み合わされたものです。
「電磁波」とは、電界と磁界が交互に発生しながら空間を伝わっていく波のことです。
【解説】
「電磁界」とは、「電界」と「磁界」が組み合わされたものです。
「電界」とは、空間に電気の力が働いている状態のことをいいます。
電線などの電流を良く通すもの(導体)に電圧がかかると、そのまわりに電界が発生します。
電界の強さは「電界強度」で表され、単位は1 メートル当たりのボルト(V/m)または1 メートル当たりのキロボルト(kV/m)が用いられます(1kV/m=1,000V/m)。
電界強度は電圧が高いほど強く、発生源からの距離が大きくなると共に弱くなります。
図1 に、電界のイメージを示します。
・「磁界」とは、空間に磁気の力が働いている状態のことをいいます。
磁界は磁石の周りや、電流が流れている導体の周りに発生します。
磁界の強さは「磁束密度」または「磁界強度」で表され、単位は磁束密度ではテスラ( T )、ミリテスラ( mT ) またはマイクロテスラ( μT )
(1T=1,000mT=1,000,000μT)、磁界強度では1 メートル当たりのアンペア(A/m)が用いられます。
磁束密度(または磁界強度)1は電流が高いほど強く、発生源からの距離が大きくなると共に弱まります。
図2 に、磁界のイメージを示します。
図 2 磁界のイメージ
・注:右の図では磁石が北極と南極を指していますが、実際の地磁気の極は地理上の北極・南極から僅かにずれています。
金属などの導体に電流が流れると、そのまわりに磁界が発生します。
電流の向きが交互に変わると、磁界の強さが変わり、それによって新たに電界が発生し、また新たに磁界が発生します。
このように、電界と磁界が交互に発生しながら空間を伝わっていく波のことを「電磁波」といいます。
図3 に、電磁波のイメージを示します。
図 3 電磁波のイメージ
・1 磁界強度と磁束密度の間には以下の関係式が成り立ちます。
磁束密度(T)=透磁率×磁界強度(A/m)
真空や空気中、生体物質などの中では、透磁率の値は 4π×10-7H/m(1 メートル当たりヘンリー)です(例:200μT≒159.2A/m)。