有機リン:クロルピリホス2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・急性毒性
人間の中毒症状
 
 ・ 他の有機燐系殺虫剤と症状は共通する[1]。
 
 ・ 頭痛 ・筋肉の攣縮 ・衰弱 ・発汗 ・流涎 ・肺水腫[1]
 
 ・ 被ばくが重度の場合、意識消失 ・けいれん ・死亡[1]
 
 
急性毒性を発生させる経路
 
 皮膚接触 ・経口摂取 ・吸入[1]
 
 
経口致死量(LD50);
 
 ・ 82-270 mg/kg (ラット)[1]
 
 ・ 人間はラットと同じく敏感と考えられている[1]。
 
 ・ 製剤化されたクロルピリホスの吸入は、ラットとマウスで経口摂取より有毒である。
と考えられている[1]。
 
 ・ 経皮被ばくは経口摂取より毒性が少ない(実験動物)[1]。
 
 ・ AChE阻害はLD50よりはるかに少量で見られる。雌ラットではLD50の1%以下(0.1 mg/kg/日)、ビーグル犬ではLD50の5%以下(3.3 mg/kg/日)で見られる[1]。
 
 ・ クロルピリホスによるAChEの阻害は、他の有機燐より長引き、被曝後2週間から6週間続くことが知られている。

これはクロルピリホスが脂溶性であり、クロルピリホスが脂肪中に貯蔵され、ついて放出され、クロルピリホスオクソンとなるので、影響が長期に渡る[1]。
 
 ・ 作業記憶と運動活性の低下のような行動変化が、被曝後2、3週間後に起こる。ある応答は被ばく12週間後の間変化した。

毎週少量のクロルピリホス注射によっても類似の変化が起こる。

クロルピリホス被ばくにより「微妙な長期的行動変化が誘導されるだろう」と研究者は警告している[1]。
 
 ・ 人間のクロルピリホス被ばくは多い。米環境保護庁の農薬情報ホットラインは毎年クロルピリホス関連事故の電話を数百件受けている。これ以上多いのは有機塩素系殺虫剤のクロルデンのみである[1]。
 
 ・ 27.6 mg/m3 の濃度のクロルピリホスに8時間被ばくした22人の害虫駆除作業者で、血漿中アセチルコリンエステラーゼ活性の有意な阻害が観察されている[3]。
 
 ・ マラリア駆除作業で0.5%クロルピリホス乳剤に被ばくした散布作業者は、血漿と赤血球のコリンエステラーゼ活性が低下した。7人の散布者中5人は、散布開始後2週間以内に50%以上のコリンエステラーゼの低下を示した[3]。
 
 ・ 米国立職業安全保健研究所のステーンランドラは191人のクロルピリホスを使用しているシロアリ駆除従事者と、被ばくしていない189人の神経機能調査を報告している。

尿中のクロルピリホス代謝物(3,5,6-trichloro-2-pyridinol; TCP)の濃度は、最近被ばくした駆除従事者は 629.5μg/Lであり、一般米国人は4.5μg/Lであった。

臨床検査では被ばくによる影響は認められず、神経伝導速度や神経行動学的検査でも有意な差はほとんど認められない。

被ばくした人は、記憶障害や情動問題 ・疲労 ・筋力低下の訴えが多い。以前にクロルピリホス中毒を経験した8人は、多くの検査で低い成績を示し、これは有機燐の慢性中毒の報告と一致していた[13]。
 
 ・ サルにクロルピリホスを6か月間投与した場合、血漿と赤血球のコリンエステラーゼは、2.0と0.4 mg/kg/日の量で低下したが、血漿コリンエステラーゼは0.08 mg/kg/日で低下した[3]。