・出展:環境汚染問題 私たちと子どもたちの未来のために
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/
・クロルピリホス
はじめに
・ クロルピリホスは農業やシロアリ駆除などに広く使われている有機燐系殺虫剤である[1]。
・ クロルピリホスは幅広い昆虫に有効である[1]。
・ 商品名にはダーズバンやローズバンがある[1]。
・ クロルピリホスは1965年以来米国で登録されてきた[1]。
・ 2000年6月、米環境保護庁EPAは、製造会社とクロルピリホスの用途制限に合意した。その内容は次の通りである[4]。
・ 家庭や芝生 ・庭用途を、本年末までに実質的になくす。
・ 既存の家屋での全シロアリ駆除用途を、本年末までに実質的になくす。
・ 学校やデイケア ・公園 ・病院 ・養護施設 ・歩行者専用商店街のような、全ての敏感な地域でクロルピリホス使用を、本年末までになくす。
・ 次の栽培シーズンにいくつかの食品で、農薬残留をなくすか、劇的に低下する。
・ そして、最後に、2004年末までに新規家屋と建築物建設用のシロアリ駆除剤として、クロルピリホス使用を2004年末までに排除するだろう。
これに対してダウアグロサイエンスは期日の延長を申請しているという。
作用機構
・ クロルピリホスは有機燐殺虫剤である。
有機燐類の研究は第二次世界大戦の間に始まった。
当時科学者は神経ガスとして利用するために研究していた[1]。
・ クロルピリホスは神経系に直接有毒である。動物の体内でクロルピリホスオクソンに変化し、神経系に対してクロルピリホス自体より約3000倍強力である[1]。
・ 他の有機燐と同様にクロルピリホスは神経系への毒性により、昆虫と、人間を含む他の動物を殺す[1]。
・ 有機燐は、神経情報を神経末端と神経や筋肉とので情報を伝える役割を果たしている神経伝達物質、アセチルコリンを分解する酵素アセチルコリンエステラーゼを阻害する。
この結果、アセチルコリンが蓄積し、付随的な筋肉の引きつりやけいれん ・または死亡を招く[1]。
・クロルピリホス被ばくはアセチルコリンエステラーゼ以外の酵素も阻害する[1]。
・ 実験動物で肝臓の細胞内呼吸を妨害する。
これは細胞内呼吸に重要なATPアーゼ活性に影響を与えるからである[1]。
・クロルピリホスオクソンは、コレステロールエステル加水分解酵素を阻害する。
この酵素の阻害はラットでストレスに対する正常な反応の一つをなくす[1]。