・出典:日本東洋医学会
http://www.jsom.or.jp/universally/
・A-1 心身症 診断・治療ガイドライン2006
社団法人日本心身医学会 (編集: 小牧元、久保千春、福土審)
協和企画、2006年5月25日第1版第1刷発行
■A1-1六君子湯
疾患:
Functional Dyspepsia (FD)
引用など:
原澤茂, 三好秋馬, 三輪剛, ほか. 運動不全型の上腹部愁訴 (DYSMOTILITY-LIKE DYSPEPSIA) に対するTJ-43六君子湯の多施設共同市販後臨床試験-二重盲検群間比較法による検討-. 医学のあゆみ 1998; 187: 207-29.
EKAT構造化抄録[PDF]
CPG中のStrength of Evidence:
Ⅱ: 1つ以上のランダム化比較試験による
CPG中のStrength of Recommendation:
B: 行うことを推奨
漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2010
日本東洋医学会 EBM 特別委員会 エビデンスレポート/診療ガイドライン・タスクフォース
有効性に関する記載ないしその要約:
FDに対する治療手段の薬物療法の項に、下記の記載がある。
『漢方薬では、六君子湯に関してRCTで有効との報告があるが、よい研究デザインの報告は少なく結論は出ていない。漢方薬は併存する身体症状や精神症状も含めた処方が可能なので、FDのようにさまざまな症状を並存する患者では、訴えを受容しながら使用しやすい薬物といえる。FD治療の候補にはこれ以外に半夏瀉心湯、安中散などがあるが今のところエビデンスはない。』
備考:FDの汎用薬剤の一覧表の中に、症状: 嘔気、胸やけの欄に「ツムラ六君子湯 7.5g 分3食間」の記載がある。
■A1-2漢方薬
疾患:
更年期障害
引用など:
木村武彦, 赤松達也, 矢内原巧. 更年期障害の漢方療法. 漢方と最新治療 1992; 1: 229-36.
CPG中のStrength of Evidence:
Ⅴ: 記述研究 (症例報告やケース・シリーズ) による
CPG中のStrength of Recommendation:
B: 行うことを推奨
有効性に関する記載ないしその要約:
更年期障害の治療ガイドラインとして、HF (+) でHRTを希望しない例や禁忌例、HF (-) 例の中の漢方の項に、下記の記載がある。
『更年期障害に多くみられる12症状を選択し、症状に見合った虚証、中間証、実証に分けた漢方薬を表にまとめた。中間証は虚証と実証の間の証であり、証が分かりづらいときには中間証の薬剤を選択するのがよい。』
■A1-3桂枝茯苓丸、A1-4加味逍遙散、A1-5当帰芍薬散
疾患:
更年期障害
引用など:
木村武彦, 矢内原巧. 更年期の漢方治療. 産婦人科治療 1991; 63: 199-202.
CPG中のStrength of Evidence:
Ⅴ: 記述研究 (症例報告やケース・シリーズ) による
漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2010
日本東洋医学会 EBM 特別委員会 エビデンスレポート/診療ガイドライン・タスクフォース
CPG中のStrength of Recommendation:
B: 行うことを推奨
■A1-6桂枝茯苓丸 A1-7加味逍遙散 A1-8当帰芍薬散
疾患:
更年期障害
引用など:
村田高明. 更年期障害の漢方療法. Current Therapy 1990; 8: 47-53.
CPG中のStrength of Evidence:
Ⅵ: 患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見
CPG中のStrength of Recommendation:
B: 行うことを推奨
■A1-9当帰四逆加呉茱萸生姜湯
疾患:
冷え症※引用、Strength of Evidence、Strength of Recommendationはない。
<以上A1-3~A1-9の記載として> 有効性に関する記載ないしその要約:
更年期障害の治療ガイドラインとして、HF (+) でHRTを希望しない例や禁忌例、HF (-) 例の中の漢方の項に、下記の記載がある。
『漢方の中で桂枝茯苓丸、加味逍遙散、当帰芍薬散の3つは女性3大漢方と呼ばれており、この3剤で更年期症状のかなりの部分をカバーできる。女性疾患の証が類似しているからと考えられる。
冷え症状に対してHRTと当帰四逆加呉茱萸生姜湯との比較試験では、漢方の有効性が高い。』