・行動のちがい
子どもは口に手や品物を良く入れます
子どもたちの一般的な行動も環境中の毒物被曝を増やします。
幼児はよく物を口に入れます。
このために土壌や家の中のほこり・品物の表面にある物質を子どもが取り込みやすくなります。
子どもは地面や床近くで遊びます
子どもたちは地面でよく遊びます。
世界共通の面白い遊びは泥んこ遊びや土いじりです。
成人は地面から120~170センチメートル上の空気を呼吸します。
子どもは、地表近くの空気を呼吸するため、床や土、草の中にある化学物質に被曝しやすくなります。
鉛や粒状物質のような重い化学物質は地面近くの空気中に多いと考えられています。
また、活動が活発なため、体重当たりの呼吸量は大人より多く、環境中の化学物質に被曝する可能性も増加します。
子どもの身体機能の未熟さ
乳児や子どもは大人と、大きさのみでなく、生化学的・生理学的機能の発達でも差があります。
急速な身体的精神的成長が子どもの特徴です。
器官のあるものは十分発達していないのために化学物質による障害に弱い可能性があります。
子どもは、化学物質を吸収・代謝・排泄しますが、大人とは異なります。
胎児特有の敏感さ
胎児は環境毒物に特に敏感です。
化学物質は妊娠中に被曝した女性には影響を与えなくとも、胎児に影響することがあります。
このことは睡眠薬として使われたサリドマイドによる先天性障害の事例でも明らかです。
乳児や子どもの急速な成長
生後1~6ヶ月の間に乳児の体重は急速に増え、体重が倍になり、1才の誕生日には誕生時の体重の3倍になります。
中枢神経系(脳)や免疫系(胸腺)の成長は生後6ヶ月頃に最も急速に進みます。
6才の子どもの体重は成人の30%にすぎませんが、子どもの胸腺はほぼ大人と同じ大きさで、脳の大きさは大人の約80%になります。
化学物質の吸収や排泄が異なります
乳児と子どもの化学物質の吸収や代謝・排泄の経路は成人とは異なります。
化学物質の吸収率が高く、排泄が少ないために、子どもたちは成人より化学物質に敏感なことやその逆のこともあります。
子どもは取り込んだ鉛の約50%を吸収しますが、成人はわずか10~15%しか吸収しません。
腎臓は体からほとんどの化学物質を排泄する主な器官ですが、誕生時、乳児の腎臓の濾過率は成人のごく一部でしかなく、1才になって大人の濾過率になります。