・子どもは環境汚染物質を保持しやすい
乳児と子どもはある種の環境汚染物質を多量に体内に保ち続けます。
多環式芳香族炭化水素によるDNA障害について、ポーランドの新生児とその母親について、研究者が調べました。
子宮内で多環式芳香族炭化水素に被曝した新生児では、胎児の被曝量は母親の1/10と推定されましたが、DNA障害は母親のレベルに匹敵していました。
同様に、幼い子ども(2才以下)の尿中の多環式芳香族炭化水素の被曝指標のレベルは母親より高いことが知られています。
アメリカのセントローレンス川の汚染源下流の居留地に住むモホーク族のPCBレベルを調べました。
川で捕まえた魚を食べた女性の母乳と尿中にPCBが検出されました。
母乳を飲んでいた乳児の尿中のPCB濃度は、母親の尿中の濃度より10倍も高いことが報告されています。
子どもは大人より長く生きます
子どもは大人より将来長く生きていきます。
そのため、人生の早い時期に化学物質によって引き金を引かれると、慢性病が発病するまでに十分な時間があります。
化学物質によって引き起こされる多くの病気は発病まで数十年が必要です。
発癌物質や毒物は、子ども時代初期の被曝は後の時期よりも影響を与えやすいと考えられています。このことは農薬などで証明されています。
子どもには不明なことが多い
子どもと乳児に対する被曝の影響についてはほとんど知られていません。
弱い決定的な時期はあるのだろうか?子ども特有の感受性とは何だろうか?あらゆる環境中の害に対する子どもと大人の差や、毒物の種類による差(たとえば、神経毒は発達中の神経系により大きな影響を与える可能性)はどのようなものでしょうか?
これらのことは今後研究する必要があります。
子どもの発達と学習・行動への影響
以上から、胎児や子どもが環境汚染の影響に敏感な反応を示すことが分かります。
胎児や子どもは、まだ発達中の脳を持ち、異物が脳の中に入るのを妨げる血液脳関門が発達していないために、環境汚染物質の発達や学習・行動への影響が懸念されています。
以下の異常には遺伝的原因も考えられますが、環境汚染による障害は避けることができるものです。
避けることができる可能性があるのなら、積極的にこれらの原因を排除すべきです。