・Q2 ビスフェノールA(BPA)とはどのような物質ですか。また、どのよう
な規制が行われていますか。
BPAは、主にポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂などの原料として使用
されている物質です。
そのため、ポリカーボネート製品には、製造過程で未
反応のBPAが残留するため、製品の中にごく微量のBPAが含まれています。
また、缶詰等の内面塗装剤にエポキシ樹脂が使用されており、内容物にBPAが溶出する可能性があります。
食品用の器具又は容器包装については、公衆衛生の見地から食品衛生法に基づき必要な規格基準を定め、この規格基準に合わないものは、販売や営業上の使用等が禁止されます。
BPAについては、ポリカーボネート製器具又は容器・包装からの溶出試験規格(2.5 μg/mL以下)が定められています。
Q3 BPAを摂取すると健康に悪影響は起きることはないのですか。
1997(平成9)年頃から、国内外において内分泌系への影響が懸念される物
質として社会的な関心が持たれました。
1998(平成10)年には環境庁(現環境省)において「内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質」としてBPAがリストアップされました。
これまでに内分泌系などへの影響を調べるための試験研究が数多く行われてきています。
こうした試験研究の中で、動物の胎児や児動物が、従来の毒性試験より有害な影響がないとされた量に比べて、極めて低い用量のBPAの曝露を受けると神経や行動、乳腺や前立腺への影響等が認められるという報告がされています。
厚生労働省は、現行の規格値と同じ程度のBPAの溶出では成人には影響はないものと考えるものの、低い用量で影響を受けるかもしれない対象が胎児や乳幼児であることも踏まえ、2008(平成20)年7月に食品安全委員会にリスク評価の要請をしており、この結果、健康への影響が指摘されれば新たな対策を検討することとしています。
また、リスク評価を経るまでもなく、厚生労働省はBPAの曝露をできる限
り減らすことが適当であり、関係事業者に対して自主的な取組を更に推進していくように要請していることや、ポリカーボネート製のほ乳びんについて、授乳期中の工夫として、他の材質(ガラス製など)のほ乳びんを使用することも選択肢のひとつと考えられることなどの情報提供を行っています。
なお、詳細は以下のHPをご参照ください。
厚生労働省ホームページ(ビスフェノールAについてのQ&A)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html