・自律神経
肩こりの強い人にはめまいや血圧上昇、不安感、頭重感、耳鳴りなどの多彩な不定愁訴を合併することがあります。
こうした多彩な症状が「内科からみた肩こり」のおもなテーマになっています。
これらの症状が自律神経に深く関係していることは容易に推測できますが、正確な機序となると推測の域を出ません。
肩こりがストレスや生活様式などによる現代病、一種の生活習慣病として捕らえられることが多くなってきました。
頚椎の周囲には自律神経の一つ交感神経が発達していて、症状の発現に深く関係しているのではないかと考えられます。
(イラスト7)交感神経は胸椎上部から発して、頚部を上向して頭蓋内に達します。
頚部交感神経は椎骨に沿うように頸動脈や頚部の筋肉中を走行しています。
こうした位置関係から頚部交感神経の緊張が、頚部の筋肉緊張、椎骨動脈循環不全(後述)などと関係して、肩こり、めまい、血圧上昇、頭重感、耳鳴りなどの症状の発現に関係していると推測されます。
追突事故で頚椎ねんざを受けた人がときとして訴えるめまいも同様の機序で起こり、「バレ-リュウ症候群」として知られています。
(イラスト8、イラスト9)脊椎-洞神経には交感神経が含まれているために、この神経の刺激も自律神経症状の発現に関係しているのではないかと考えられます。
脳神経の一つ、迷走神経も副交感神経(自律神経の一つ)を主成分とし、咽頭・喉頭・口蓋への運動神経も含む混合神経です。
迷走神経は頚部を下向きに走って胸部に達します。
副交感神経は血圧の低下、心拍数の減少など、交感神経の作用を押さえるように働いています。
今のところ、迷走神経が交感神経ほど肩こりの症状の発現に関係しているという証拠はありませんが、めまいや立ちくらみに何らかの関与をしているかもしれません。
runより:このパートが一番重要かと思います。
化学物質過敏症に最も繋がる部分です。